冬季タイヤ選考開始

フツーの国産車に乗っている人々は無関心な事項かも知れないが、その他のクルマ(≒フツーじゃない国産車 + 輸入車)でサーキット走行をする輩には、タイヤの「表示」はとても重要な関心事である。ここでいう「表示」とは、タイヤの側面に書いてある数字と記号のことだが、ダンロップタイヤが解り易い説明動画を公開してくれているので、参照されたし。

今回話題にしたいのは、速度記号だ。そのタイヤが、規定の条件下で走行することが許される最高の速度が、英語アルファベット大文字1字で示されているものである。くどいようだが、フツーの国産車に乗っている人々には、さほど意味を持たない記号の可能性が高い。何故なら、例え高速道路を走行する際でも、現行の法律では最高で100km/hまでしか出す事を許されていないのだし、フツーの国産車はサーキット走行時でも、180km/hでリミッターが作動してしまうからだ。しかし、その他のクルマに乗る輩には、T(190km/h)、H(210km/h)、V(240km/h)、W(270km/h)、Y(300km/h)、(Y)(300+km/h)といった表示が、大きな意味を持つ。オヤヂのクルマ達は、でみ男もサーキット走行をするのでリミッターは解除してあるし、その他のクルマの夏季タイヤは、W、Y、若しくは(Y)表示のあるものでないと装着できない。

ところで、冬季タイヤ、である。冬季タイヤには、大きく分けてスパイク(≒スタッド)タイヤ、スタッドレスタイヤ、ウインタータイヤの3種類がある。このうち、刺のあるスパイクタイヤと、刺の無いスタッドレスタイヤは、凍結路面(氷上)も走ることを想定してあるのに対して、ウインタータイヤは雪面は走れるけれども氷上を走ることは想定していない。従って、ウインタータイヤは、滅多に雪が降らない都会か、常に新雪が路面に積もり続ける欧州の極寒の田舎向きだと言える。一方、スタッドレスタイヤは、日本のように路面に降った雪がいったん融け、その後に凍結するような道が多い国に向いている。その結果、欧州系のタイヤメーカーは、ウインタータイヤを積極的に生産し、国産のタイヤメーカーはスタッドレスタイヤ生産に力を入れる傾向にあるようだ。因みに、スパイクタイヤは氷面をしっかりと捉えることができるので、凍結路面では抜群の威力を発揮するが、氷に覆われていない露出舗装路面をスパイクが削ってしまう結果の粉塵公害が問題になり、日本では法律で1991年以降、(製造・販売・)使用が禁じられているが、北欧諸国では現在も合法である。更に余談だが、北米ではオールシーズンタイヤといって、夏でも冬でもそれ一本、交換無しで大丈夫という、ものぐさな米国人向けのタイヤが幅を利かせているので、別世界だ(苦笑)。

さてここで、冬季タイヤをどういった場面で使うのか、についても考察する必要があるだろう。欧州(特にドイツ)では、冬でも高速道路を200km/h以上でかっ飛ばす車(運転手)は珍しくないので、ウインタータイヤでもVの速度記号表示は稀ではないし、径も幅も選択肢は多い。しかし、「日本の冬の道向き」のタイヤであるスタッドレスタイヤは、そもそも欧州系メーカーは積極的に生産していなので、径や幅に拘ると、国産メーカー製を選択せざるを得なくなってしまう。そして、日本国内の公道を走るのに必要なだけのタイヤ(スタッドレスタイヤでサーキット走行をすることは、常識的には考えられない)なので、速度記号は精々Q(160km/h)だ。けれども、である、オヤヂとしては、何となく、何かの拍子に(←具体的にどんな拍子だ!? あり得ないだろ!)、より高い速度域で走行する必要性が生まれるかもしれない、と思ってしまうのだ。理由が説明できないのが辛いところであるが…(^^;;

畢竟、サイズ(径や幅)の選択肢に富む国産メーカーの製品ではなく、昨年までと同様に最高速度域優先で欧州メーカー、特にレストランの格付けで有名な会社、の製品を選ぶことになってしまいそうだ。

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