さよなら、Audi S6

10年前に偶然が重なって衝動買いしたLamborghini Gallardo LP560-4のV型10気筒5.2L自然吸気エンジンに惚れ込み、普段乗りのセダンにもそれと同じエンジン搭載車を! ということで購入したAudi S6 (C6型)。車重2tを超える大柄な車体を、恰も軽自動車であるかの如く軽々と動かす大排気量多気筒自然吸気エンジンの魅力は、製造後10年以上を経過した今も色褪せていないし、Audi自慢の四輪駆動システムであるquattroは2世代前の設計なれど、例え滑り易い路面でも絶大な安定度を保って矢のように疾走することを許してくれるので、運転手に安心感と安らぎ(≒疲れ難さ)を与えてくれる。Audi S6は、特にパーソナルな移動手段という観点からすると、完璧に近い、素晴らしいクルマである。

但し、欠点もある。その筆頭は、大喰らいなことだ。いくら”技術の先進性”を謳ったAudi自慢の高性能車といえども、エネルギー保存の法則から逃れることはできない: 2tの車重を感じさせずに軽々と動き回るには、強大な推力を生み出し続ける必要があるわけだが、10年前の設計思想は今ほど環境(エコロジー)に配慮したものではなかった為、大量のガソリンを湯水のように使いながら目的を果たすのだ。結果として、実用燃費は6km/L前後である。

しかし、エコロジストではないオヤヂは、環境に配慮が乏しいクルマを所有していることに負い目を感じたりはしないし、貧乏ではあるが滅多にクルマに乗らない身としては、燃料代も気になりはしない。ただ、Audi S6の第2の欠点である色気のなさは、飽きに繋がるのだ。いつも完璧に仕事をこなしてくれる自分専属の冷淡な美人秘書が居ても、長年一緒に働いていると、真紅の口紅がよく似合う、キュートな笑顔とモンローウォークが評判の受付嬢が気になって仕方なくなるのと似ている(?)。

そんな訳で、オヤヂは信頼する中古車販売店であるリトルウッズに委託して、Audi S6を手放すことにした。さよなら、Audi S6!今迄ありがとう♡ キミよりも更に凄まじいく素晴らしい仕事をするという噂なので、他社から引き抜いた新しい秘書が来週着任したあとも、キミのことはずっと忘れないよ。

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