Mazda Roadsterに試乗

先日来、BMW 135i Coupeの購入をかなり真剣に考えている。もしオヤヂがお金持ちだったら、先日の試乗が終わった時点で即購入申込をしていただろうが、流石に貧乏人に衝動買いできる金額ではない(諸経費込みで約600万円)。畢竟、買うべきか、買わざるべきか、毎日悩むことになった。

買うべき理由はとても単純: 運転してみて、オヤヂの感覚とクルマの走りが、ピッタリ/しっくりと合致していたから。愛車のAudi RS4も、勿論そういうクルマだが、BMW 135iの場合は、一回り小さいので更に小気味よさが加わっている感じがした。

買わざるべき理由は至極沢山ある。そしてその内の2つは、とても重要だ。まず価格。6百万円出すなら、かなりの高級車が沢山選択肢に入ってくるので、プレミアム・カーを選ぶ、という作業に陥り易い。逆に、走りのみに拘って選ぶクルマとしては、ちょっと割高感が出てしまう。次にエンジン。よく回ることで定評のあるBMW社製のin-line 6 (直列6気筒) エンジンとしては、回らない部類に入るエンジンらしい。確かに、過給機付きなので低速トルクが太く、非常に扱い易いのだが、最高回転数は毎分7千回転止まりなので、淀み無く天井知らずに噴け上がる、という表現はできない。今日、スポーツ・エンジンとしては8千回転超は必須だろう。以前オヤヂの乗っていたS2000の如く、9千回転まで回るが、回さないと走らないクルマ、というよりは、低速トルクに溢れていて、最高出力も6千回転程度で発揮されるクルマの方が、余程運転し易いのは確かだが、運転して楽しいかどうかは、また別の話だ。6百万円でよく回るエンジンを積んだ高性能車、という視点で見ると、先代(E46) M3の中古車が、俄然候補に浮上してくるし…。

そんな話を、職場の同僚に対してしてみると、RS4と重なる部分がかなり大きなクルマを買うのは、随分と勿体無い、というコメントが帰って来た。Audi RS4とBMW 135iでは、全く比較にならない程の性能差がある、というのがオヤヂの意見だが、少なくとも一般道で走る限り、両者の明らかな性能差を体感できるのか、という問いに対する答えは、否、である。その意味で、同僚の指摘は正しい。そうして彼は、何故か突然、いっそMazda Roadsterのような、高性能ではないけれどバランスの取れたクルマを選ぶのも良いかも、と付け加えもした。彼がMazda Roadsterを引き合いに出して来た理由は全く不明だが、これも何故だか、オヤヂはその言葉に完全に納得させられてしまった。で、早速試乗に行って来た。

我家の近所のMazda販売店には、生憎Roadsterの新車は展示すらされていなかったが、その販売店は新車のみならず中古車も扱っており、幸いRoadstar RSのH17年モデル(NC型)が置いてあったので、それに乗らせて貰った。その結果、うん、確かに悪くない、と思った。アクセルの踏み具合から予想される加速度と、実際の加速感が合っていたし、ハンドリングも評判通りだったし、ブレーキの効き具合も問題なかった。但し、気に入らないところも目立った。シートがお粗末で、ホールド性が全く無いし、ステアリング・ホイールも何だが貧弱。また、販売員が誇らしげに「剛性感のあるシフト」と説明してくれた6速マニュアル・トランスミッション (MT) は、(先日試乗したE92 M3の如く)とても渋くて、力を込めてシフト・チェンジをせねばならず、非常に違和感があった。さっきネット検索したら、NC初期型の6速MTは渋いのは事実なようで、その後の型では改善されているらしい。

やはり自慢げに説明された、ビルシュタイン製ダンパーと17インチのアルミ・ホイールにも、あまり好感は持てなかったナ。足元がバタバタした感じで落ち着かなかった。Mazda Roadsterの場合は、元来が低重量+低重心のクルマなのだから、サスペンションをガチガチに固める必要もなかろうし、もっとたっぷりとストローク幅を取って、尚且つ減衰率を高めの設定にしてやり、しっとりとした乗り心地にしてやっても、スポーツ走行性能を損なってしまうことは無いのではないか?

ということで、Mazda Roadsterの上級グレードではなく、敢えてベース車両を購入して、シートやサスペンションをオヤヂ好みの製品に交換し、LSD (limited slip differential) を取り付けたり、車体補強部品(各種タワーバーやロールケージ等)を取り付けたりして、手を入れながら、サーキット走行を楽しむ、という案が、俄然浮上しつつある(気がする)。何故なら、当座はBMW 135i購入予算の半額で何とかなってしまいそうだから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です