2010年第1回「いっしょに走ろっ♪」

本日は丸1日、2010年になって初開催の走行会「いっしょに走ろっ♪」@TC1000に参加してきた。オヤヂのPorsche 911 (997前期) GT3 RSの”動き”を探る為の、いわば「試験走行」的な参加だった。

TC1000での走行結果は、「とにかく疲れた」の一言。正味の走行時間は合計で1時間にも満たないし、走行距離も大したことはなくて、ガソリンもあまり減らなかったのだが、今までのサーキット走行経験の中で最も疲れた体験、の上位3件に間違いなく入る。

RR (Rear-engine, Rear-wheel-drive) のPorscheを運転する際は、コーナーではブレーキングでなく立ち上がりで頑張れ、というのは何所にでも書いてあることなので、早目の減速と丁寧なステアリング操作、そして向きが変わってからの加速、を心掛けた積りだった。ところが、丁寧にブレーキを掛けて、フロントに荷重を掛け、其の侭ブレーキを残して(=フロントに荷重を掛けた儘で)ステアリングを切ってゆくと、思った以上にクルマが曲がった。寧ろ曲がり過ぎた。所謂、オーバーステアの状態になり易かった。それどころか、超低速でそぅ~っと曲がっている積りでも、簡単にリアが流れ始め、カウンターステアを当てる必要があった。しかも、それだけではリアの流れは収束しない。これは、コーナリング中の車は、フロントの仮想支点を軸としてリアを振り出す振り子と考えると、Porsche 911系はエンジン搭載位置が後輪の車軸よりも更に後ろ(=車体の後端)である為、支点から最も遠い位置に重心があることになり、ヨー・モーメント(車体の鉛直軸周りの回転力)が大きくなり易い、というRR車の最大の特徴に因る動きであろう。その動きを収束に向かわせるには、旋回中にガス・ペダルを踏んで(加速状態にし)、リアに荷重を移してやることで、フロントの仮想支点を無限の彼方に遠避ける必要があった。

しかし当然、リアの荷重が軽い状態で後輪に駆動力を掛けてやると、後輪はガンガン空転した。最高出力415馬力が後ろの2輪のみに伝達される状態は尋常ではないのだ。それでも程なくして、カウンターステアが切られた状態の前輪と、空転気味で駆動力の一部を路面に伝えている後輪とのバランスが釣り合い、クルマは少々斜めに向いて、コーナーの出口に向かい始める。所謂ドリフト状態だ。この時、ガス・ペダルをほんの少し戻しながら、カウンターステアも戻して行き、前後方向の軸と、ステアリング(前輪)の向きが揃う時(要するに真っ直ぐになる瞬間)に、すかさず再びガス・べダルを踏見込んで、コーナーを脱出しながら加速する、というのが、本来の姿だ。

ところが、これまではどんなクルマでもグリップ走行しかしたことがないオヤヂは、ブレーキングなら当たり前だが)にステアリングを切っただけで簡単にブレイクする後輪の動きに慌て、カウンターステアを切るのにも慌てているので、ガス・ベダルを踏んでドリフトモードに入る頃にはもう、ひょえぇ~ッ!という叫び声を心の中で発し続けてしまっていた。その為、本来は少しだけ丁寧に戻してやるべきガス・ベダルを、恐怖心から完全に戻してしまい、その結果として急にフロント荷重の掛かった前輪の向いている方向(コーナー外側)にクルマが進み始めるので、慌てて反対側にまたカウンターステアを切らねばならず、クルマはふらふらと挙動を乱す、という情けない状態をコーナー毎に繰り返すありさまだった。そして、コーナリング開始から終了迄の何れかの段階で少しでも操作が雑になったり、対応が遅れ過ぎたりすると、即座にスピンに帰結した。実際、何回スピンをしたのか覚えていない程だ。ラップタイムとしては、45秒台前半を時々出すのが精一杯で、Mazda NB Roadsterに必死について行くのがやっとだったし、日産マーチにまで追い立てられる始末だった。おまけに、散々空転させて酷使したリア・タイヤ(MICHELIN Pilot Sport Cup 305/30 R19)は、完全に丸坊主になり、ワイヤーが見え掛かってしまったのだった。

Mazda NCECロードスターだと、コーナリング失敗は、アンダーステアで外側に孕んで終わりなのに、とにかく難しかったなぁ、Porsche 911 GT3 RS。やっぱり乗り手を選ぶクルマなんだね! インストラクタの一人の富澤勝選手には、「クルマをコントロールしようと頑張っているのが傍から見ても明らかで、凄く楽しそうでしたねぇ!」なんて皮肉を言われた… 😳 。感覚的には、アクセル開度40%の不完全燃焼で終わってしまったのだが、逆にこのクルマを全開で走らせることが出来る日が、いつかオヤヂを訪れるのか否か、甚だ疑問に思わずにはいられなくなる体験だった。

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