列車

関東に住んでいると気付き難いが、首都圏の列車は長い=車両数が多い。これには、良い面と悪い面がある。13年前に、仕事の都合で東海地方に移住し、2年前に関東地方に再び戻って来て、そのことに改めて気付いた。

大学卒後に10年程を過ごすことになった東海地方では、4〜8両編成の列車が普通で、2両や1両しかない列車も珍しくはなかった。筆者は中学+高校 は電車通学だったが、その頃は(そして今でも)12〜15両編成の車両が当たり前で、極稀に11両編成の”短い”編成車両だったりすると、態々「お詫び (車内の混雑が予想される為に、注意を喚起する目的で)」の校内放送が流れたものだったので、最長でも8両編成、という東海地方の列車に初めて乗車し、し かもそれが絶対に鮨詰状態にはならないのを知った時には、所謂”カルチャーショック”(もう死語だろうか?)を受けたものだった。

しかし、短い列車にも、利点が無いわけではない。短い列車なら、先頭車両に乗ろうが、最後尾車両に乗ろうが、精々数両の違いしかなく、真ん中の車両 に乗るのと大差が無い。これで何がよいかというと、ホーム間を移動する為の、乃至は改札口に出るための、階段がいつでも近くにあるのだ。列車の何処に乗ろ うが、階段にすぐにアクセス可能なのだ。

ところが、首都圏の列車だと、そうは行かない。例えば、新宿や上野のような大きな駅だと、ホームのあちこちに階段や連絡通路があったりする。目的の 路線への乗換えや、目的の出口へ向かうためには、最終的には固有の階段を使用せざるを得ない事も多いが、取り敢えずここではそれは話の本筋ではないので、 大きな駅なら、色々な所の階段を使って、色々な車両に乗り降りすることができる、としておこう。で、例えば宇都宮線や高崎線を利用する際に、新宿駅/上野 駅で、「階段を下りて/上ってすぐの」最後尾車両に乗り込んだとしよう。しかも列車は15両編成だ。それが小一時間走った後の、田舎の駅に着くとどうなる だろうか? 改札口に通ずる階段は、列車の真ん中より前寄り車両の横にあるのが普通だから、駅から出る為に、数十メートルから百メートル(?!)を歩く羽目になる。

10年間そういう経験をせずに過ごしてしまい、しかもその間にすっかりオヤヂになってしまうと、若い頃には何とも思わなかった「ホームで長い距離を 歩く」という行為が、結構しんどい。必要以上に自分の年齢を意識させられてしまう。だからといって、列車を短くして欲しいわけではない。ではどうしてほし いか? 田舎の駅のホームに、動く歩道を設置して欲しい!これは冗談ではなく、お年寄りや体の不自由な方々には、切実な問題だと思うのだが、どうだろう?

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