我家では2002年以来、”年に1度は海外旅行”をスローガンとして掲げ続けてきた。そして今年も、3日後には英国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland) + チェコ共和国(Česká republika / Czech Republic)への10日間の旅が始まろうとしている。けれども、これも例年通り、旅行へ向けてのオヤヂの準備は、全くと言ってよい程進んでいない。オヤヂが唯一準備したのは、Phototrackrという新兵器のみだ。
オヤヂも妻も、旅行先では沢山の写真を撮る。デジタル・カメラのデータ保存メディアの大容量化の恩恵で、昔の如くフィルムの残量を気にしたり、メディアの空き容量を気にしたりせずに済むようになった上に、昨年のドイツ(Bundesrepublik Deutschland / Federal Republic of Germany)旅行には妻がノート型PC (personal computer)まで持って行ってくれたお陰で、撮った端から画像をPCのハード・ディスクに移してしまえば良い、という安心感から、高解像度で写真を撮りまくることになった(といっても、僅か数百枚だが)。これまでのイタリア(Repubblica Italiana / Republic of Italy)、スペイン(Reino de España / Kingdom of Spain)、ポルトガル(República Portuguesa / Portuguese Republic)、etc.での苦い経験から、ドイツ旅行の際には、PCで毎日Internetにアクセスし、ブログを更新する積りであった。ブログに日々の訪問先の写真をふんだんに掲載しておくことで、あとで旅行を振り返った時に、どこを訪れたのかが直ぐ判るようにするのと、ブログに未掲載の”その他の写真”についても、どこの写真なのかが直ぐに推測できるようにする目論見だったのだ。けれども、畢竟その目論見は水泡に帰した: ドイツは意外にInternet接続環境が悪かったのと、惚けが急速に進んでいるオヤヂには、その日に撮った写真の風景でさえ、どこのものなのか、具体的な地名や建物名を思い出して特定するのが困難だった為だ。
そこで今年は、新兵器の登場だ。GiSTEQ Corp.製造・販売のPhototrackrは、高感度GPS data logger (GPSデータ記録装置)である。GPS (Global Positioning System)は、米国(United States of America)が開発・構築した衛星測位システムだが、最近ではカー・ナビゲイションや携帯電話などに搭載されているので、我々日本人にも馴染み深い装置だ。Phototrackrは、小さな筐体に似合わず、内部にGPSと電池、それに約25万件に及ぶデータを保存可能な4MB flash memoryを備える。撮影旅行中、デジカメとPhototrackrを常に一緒に携帯する事により、Phototrackrには一定時間(1秒~30分間隔で任意に設定可能)もしくは一定距離(2m~ 65.5km間隔で任意に設定可能)毎にGPSログ・データが保存される。このデータの時刻と、デジカメ画像の撮影時刻を、PC上で同期させる事により、撮影「時刻」ではなく撮影「場所」で画像を管理することが可能になる仕組みだ。こういった仕組みのことを「ジオタグ(Geo Tag)」と呼ぶらしい。PCの記録メディア上に保存された1枚の写真には、画像データと併せて地球上の位置座標データが記録されるので、その写真を地図上に配置・表示することも可能な訳で、Phototrackrに付属するソフトウェアは、標準でGoogle Mapをサポートしている。
要するに、出掛ける際には、デジカメとPhototrackrを持ち歩き、帰宅後にデジカメの写真とPhototrackrのログ・データをパソコン上で関連付けるだけで、地図アルバム(写真地図?)を簡単に作成できる(らしい)。これぞまさしく、惚けオヤヂには必携の旅行グッズだ! Phototrackrには、Phototrackr Liteという乾電池駆動のものも存在し、日本国内でも比較的簡単に入手できるようだが、オヤヂは充電式電池駆動のものを、香港から個人輸入してみた。今後の乗用車旅行の際には、車内のシガー・ライター・ソケットを利用して充電ができる利便性を勘案したのと、Phototrackr Liteには「日本仕様」とわざわざ謳われているのが、逆にオヤヂの好みに合わない為だ。いずれにせよ、今度の旅行でPhototrackr の威力を確認できるのが、とても楽しみである。 😉