F1最終戦

あまりにも劇的な終焉を迎えたF1(Formula One Grand Prix)最終戦@Interlagos (Brazil)だった。残り10秒での、まさに劇的な逆転。最後の最後まで、どちらが2008年のワールド・チャンピオンの栄冠を手に入れるのか判らなかったが、畢竟、運の強さを見せ付けたのがMcLaren MercedesのLewis Hamilton、華の無さがここでも際立った悲運の男がFerrariのFelipe Massaという結果だった。

スタート直前に降り出し、けれどもすぐに止んだ雨の影響で、タイヤ交換のタイミングやガソリン搭載量などの差に因る戦略の違いの妙味から、2位以下の順位には多少変動があったものの、不得手な雨天のドライビングを(恐らく猛練習によって)何とか克服し、終始先頭を走り切り、最終戦を優勝(1位)で終えたMassa。これまでの累積得点差(7点)及び優勝回数の違いから、最終戦でHamiltonが5位以上に入れば、年間総合優勝はHamilton、しかしHamiltonが6位以下でゴールすれば年間総合優勝はMassaに決まる、という非常に大事な最終戦だったが、71周で争われたレースでは、Hamiltonが終始4位で走行していた為、常に1位を走行していたMassaがその儘ゴールしても、年間総合優勝はHamiltonにほぼ決まったかに見えていた。

ところが、レースがあと数周を残すのみとなったところで、Interlagosはレースのスタート直前と同じく、再び突然の降雨に見舞われた。ここで、殆どのクルマ(チーム)がタイヤを晴天用から雨天用に交換した中で、7位以下を走行していたTOYOTAの2台はタイヤ交換をせずにコース上に留まる選択をしたので、タイヤ交換をして20秒以上のタイム・ロスをしたHamiltonを、TOYOTAのTimo Glockが逆転。また、レース終盤でHamiltonのすぐ後ろを走行していたToro RossoのSebastian Vettelもピット作業(タイヤ交換)中にHamiltonを逆転したので、Hamiltonは6位にポジションを落とし、勝利の女神は一瞬Massaに微笑んだかに見えた。けれども、Massaが1位でゴールし、Hamiltonが”6位で”ゴールするのを待つ間に、雨に濡れて極端に滑りやすくなった路面を、無理して晴天用タイヤで走っていたGlockが耐え切れずにスローダウン。それをすかさず抜き去ったHamiltonは5位でゴール。残り僅かに10秒程度の、あっけない程劇的な幕切れだった。

Massaとの総合得点差僅か1で年間総合優勝を決めたHamiltonは、F1史上最年少のワールド・チャンピオンということらしいが、母国で開催されたグランプリで、完璧なレース運びをして優勝を飾り、年間総合優勝も掴みかけたMassaの手から、あと10秒程でするりと逃げた「チャンピオン」の称号。う~ん、オヤヂがMassaの立場だったら、あまりにも残念過ぎて、もう今日で引退してやるゥ!宣言をしたくなってしまうかも。

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