そろそろまた燻製を作ろうか?

我家のベランダには、築後間もない頃から燻蒸器(”smoker”)がある。
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買ったばかりの頃は嬉しさと物珍しさから、頻繁に燻製を作っていた。食材(燻されるべき食品)は、ほぼ何でもよい。が、原則としては、比較的水気が少なく、蛋白質に富んだ食品が向いていると思う。蛋白質に乏しくとも燻製に向いている代表食品は沢庵だが、充分に”枯れた”大根であることが絶対条件だ。一般的には、魚介類や肉類、それも練物系(蒲鉾やソーセージなど)なら間違いないし、非魚介/肉になるが、乳製品のチーズも抜群にお勧めだ。特に所謂プロセスチーズは、食材そのものに匂いや癖のある魚介や肉と異なり、癖が無い上に食材そのものが高分子製吸着剤のようなものなので、燻蒸用チップの木の香りと色が良く染み付くので、サクラ、リンゴ、ヒッコリー、ブナなど、チップの木種によってこれ程出来栄えが変わるのか、と驚く程の差異を楽しむことができる。
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しかし、燻製作りには、幾つか越えなければならない難関がある。ひとつは温度。原則的として、所謂要冷蔵品を保存食に変える工程なので、気温が高い夏は、勲蒸前の食材が傷み易いため、燻製作りには向かない季節だと思う。もうひとつは煙。煙が出ないことには意味を成さないので、燻蒸用チップはとにかく煙がもうもうと出るようにできている。これが厄介で、当然室内は燻製作りに適さないし、例え屋外でも、昼間は煙が目立ち過ぎて、人目を惹いてしまう。オヤヂもいつだったか、うっかり休日の日中に勲蒸を始めたところ、たちまち隣家の親切叔父さんが飛んできて、「ベランダが家事だよ!」と呼び鈴を鳴らしまくられてしまった経験がある。それ以来、燻製作りは必ず煙の目立たぬ深夜に行なうようにしているのは、言うまでもない。

ここ数日、夜間は漸く安定して涼しく感じられるようになってきたので、そろそろまた燻製作りを再開してみようか。深夜に燻す(一晩抛って置く)、という手間とも言えない一手間を掛けるだけで、安価な食材がグッと旨味を増して、高級食材に引けを取らない味になるのは、貧乏なオヤヂにとって大きな魅力だから。

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