映画「おくりびと」を観た

オヤヂは、基本的に邦画は観ない。オヤヂが昔に観た邦画は、TVドラマに比べて格段に作り込まれている印象を受けることが少なかったのと、何かというとすぐに俳優同士が台詞をどなり合うばかりで、演技どころではない印象を受けることが多かったからだ。けれども、「おくりびと」は米国の第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品ということで、観ることにした。そういう観点では、カンヌ映画祭で評価されている北野武監督作品群も観るべきかもしれないが、オヤヂは北野作品を観たことはない。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞の邦画としては、今村昌平監督の「うなぎ」を観たことがあるのみだ。そして、「うなぎ」はオヤヂにとって数少ない”好きな邦画”のひとつになっている。

さて、「おくりびと」であるが、オヤヂの期待を裏切らない、素敵な映画であった。やや特異なテーマを扱っているようにみえて、実は普通の人間ドラマだし、それを気負わずに淡々と観せる脚本と主演の本木雅弘の演技が素晴らしい。そして、共演者たちがまた、錚々たる顔ぶれなのに驚いた。山崎努、吉行和子、余貴美子らは、オヤヂの大好きな俳優たちだし、笹野高史が語る「人生の門」という言葉は、胸に染み渡る。広末涼子も、ま、悪くないかなぁ…。観終えた後に残る余韻も、厭な味はしない。

こうして昨晩、「おくりびと」を観てから今朝出勤してみると、同僚や知人の身内が亡くなったという話を、相継いで耳にした。勿論、全くの偶然だけれども。

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