ブレーキ交換 (Porsche 997 GT3 RS)

本日は、長野県佐久市のENDLESS ADVANCE [エンドレスアドバンス(株)]迄出掛けてきた。オヤヂのPorsche 911 (997前期) GT3 RSの、フロントブレーキ・ロータ及び前後ブレーキ・パッドを交換して貰うためである。

オヤヂのPorsche 911 GT3 RSは、中古で手に入れた。2年半落ち(07年モデル)で走行距離8,000kmだった車両を、東京麻布のオートスポーツ(autosports)という店から購入した。新車価格を考えると、随分と魅力的な価格だと思ったからこそ買った訳だが、絶対値を考えれば勿論、貧乏なオヤヂにとって安い買い物ではなかったし、一般常識から見ても高いクルマだと言い得る筈だ。

そして、オヤヂはその高いクルマを、多額の借金をしてまでも衝動買いをしてしまったが、買う前には一応試乗をして明らかな不具合が無いか、自分なりに確かめた積りだった。結果は総じて素晴らしいクルマだと思ったが、唯一オヤヂが気になったのは、ブレーキの効きだった:人によっては宇宙一とまで評することのあるポルシェのブレーキにしては、効かないなぁ…、という印象を持ったのだった。明らかな不具合という訳ではないにせよ、どこか変だナ、という感じだった。実際、前オーナーの酷使(超高速走行からの急制動を繰り返すことで、加熱による膨張と冷却による収縮を急激に繰り返す)のせいでフロント・ブレーキ・ロータにはヒート・クラックが入っているのは一目瞭然だったので、オートスポーツには納車前に点検するように頼んだ。因みに、同社は納車前には点検整備を行い、1年保障を付けた上でポルシェを販売することを謳っている。その点検整備の結果は、「問題無い。」であった。確かに、ヒート・クラックの入ったロータは珍しいものではないし、キャリパーの隙間から見えるパッドの摩材残量も、オヤヂ自身にも問題ないようには見えた。

しかし、車両が手元に届いてから、改めて色々な状況でブレーキを掛けてみると、止まらない訳ではないのだけれど、どうも釈然としないブレーキの効き具合だ、という思いが益々募るようになってしまった。そこで、憂いを払拭する為に、思い切ってフロント・ブレーキロータと前後ブレーキ・パッドを交換することにしたのだ。純正部品で交換することも考慮はしてみたが、畢竟、昨年末にLamborghini Gallardo LP560-4のフロントブレーキと前後ブレーキパッドを交換した際に大変気に入ったEndlessの製品にすることに決めた(フロントロータ:EIRPS004, フロントパッド: EIP153ME22, リアパッド:EIP126TR)。

そうして注文から約2ヶ月後、漸くでき上がった専用ブレーキ部品を、本日Endless本社で取り付けて貰えることになった訳だが、作業に当たってフロントの純正ブレーキ・ロータ + パッドを外してビックリ仰天! ロータにヒート・クラックが入っているのは充分に判っていたが、パッドが酷く罅割れてボロボロだったのだ。これならブレーキの効きが甘かったのにも納得だ。パッドの磨材が写真のような状態に罅割れていることは、キャリパーからパッドを外してみて初めて判ったことだが、納車前点検で「問題ない」と言い切ったオートスポーツには落胆したし、今後オートスポーツを信用する気は一切無くなった。勿論、知人には同店を絶対に勧めない。

Porsche GT3 RSは、カタログ上で最高速度が300km/hを超えるとハッキリ謳ってあるし、オヤヂが富士スピードウェイ(FSW)でスポーツ走行をすることも、オートスポーツには伝えてある。FSWのホームストレートでは、オヤヂの運転するLP560-4で280km/hを超える速度が出せることは確認済みであるから、それよりやや加速性能の落ちるGT3 RSでも軽く250km/hは超える筈だ。そういうクルマを売る立場になって考えた時に、写真のようなブレーキパッドが付いていると判っているか、或いはそれが疑われる状況である場合、オヤヂなら其の侭そのクルマを売る気にはならない。今回、オートスポーツはいい加減な点検しかせぬ儘にオヤヂに車両を引き渡したのだと思う(もしも事実を知った上で隠していたとしたら、許し難い程に悪質な業者だということになってしまうので、そうではなかったと信じたい)が、そうやって何十万円かの出費を浮かせて、売ってしまえばこっちのもの、してやったり儲かったり、的な考えの高級/高性能中古車の販売店が存在するという事実は、非常に哀しい。

Endlessで新品のロータ+パッドに交換が終わったオヤヂの911 GT3 RSは、「やっぱりポルシェのブレーキの効きはこうじゃなきゃネ!」という素晴らしい制動力を発揮するクルマに生まれ変わったのは言うまでも無い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です