今週の始め(2日前)の朝に、髭を剃った。勿論、髭剃りは基本的に毎日行っているが、今回剃ったのは、2年以上蓄え続けた、所謂「口髭」だ。欧米人やアラブ人の如く濃い口髭ではなかったが、黄色人種としては決して薄い方でもない、比較的ハッキリと目立つ口髭だったと、オヤヂは思っている。ところが、当日は丸一日、誰にも気付いて貰えなかったのだ! 😯
そりゃぁ、オヤヂの顔は平凡な典型的日本人の顔付きだ。欧米諸国でも、日本人以外(例えば中国人や韓国人)に間違えられたことは唯の一度も無い。特徴の無いのっぺりした東洋人顔は、自分でも嫌いだし、他人にも特に興味を持たれていないのであろうことは、想像に難くない。けれども、最初にも触れた通り、オヤヂの口髭は決して地味な存在ではなかった。寧ろ、特徴の乏しい日本人顔の中心部にあって、かなり目立つ象徴的な存在だった筈だと、オヤヂは信じている。その特徴的な存在を見慣れている筈の人々が、特徴が突然無くなったオヤヂの顔を見て、その大きな変化に気付かないということは、オヤヂにとって俄かには信じ難い事態だ。オヤヂなら、例えば秘書がアイ・シャドウの色を変えただけで、すぐに気付くけどなぁ…。
ともかく、朝から晩まで、職場で顔を合わせた人々数十名が、誰一人としてオヤヂの髭が無くなったことに気付いてくれなかったので、帰り際にとうとう堪え切れずに、口髭を剃り落とした事を自ら告白してしまうことになった。その時の人々の驚きようといったら!あんたら、そんなに驚く程の出来事なのだったら、朝一番で気付いてよ!
しかしそれはまぁ、いい。他人様がオヤヂにどれだけ無関心だろうが、逆にオヤヂの知ったこっちゃ無い。けれども、許せないのは妻だ。妻は、毎朝オヤヂよりも早く起床し、オヤヂが起きる前には出勤してしまうので、その日の朝も、オヤヂが髭を剃る(剃った)のは知らずに出掛けた。しかも、その晩はオヤヂの方が先に帰宅していたので、帰宅直後の妻を玄関先で驚かせようと、珍しくオヤヂは妻を玄関まで迎えに出たりまでしてみた。ところが、妻はオヤヂの顔を見ても何も言わない。かなり落胆したオヤヂは、それでも気を取り直して、お出迎えの接吻をしてみた。大サービスだ。それでも妻は無反応。其の侭二階の自室に着替えに行き、間も無く台所に降りて来ると、すぐに夕食の支度を始めた。急いで夕食の支度をして貰えることは、オヤヂにとってとても有難いことなのだが、その間ずっとオヤヂに無関心・無反応でい続けられてしまったことは、オヤヂにとって耐え難い侮辱とも言い得る事件だった。超落胆し、且つ酷く苛立ったオヤヂが堪られずに、「ねえ、髭、剃ったんだけど!」と言ってしまうと、漸く妻はオヤヂの方をチラッと見て、「ああ。」と一言だけ返し、また炊事に勤しみ始めてしまった。「ああ。」の一言で片付けられてしまうなんて、どういうことヨ!全く、考えられん! 👿
最近、職場で苛々することが多く、真剣に気分転換を図りたかったので、かなりの大きな決心をして剃った口髭だったのに、職場の人々は愚か(職場では、今日になって漸く、「あれ、髭剃ったんですね?」などと言われるようになった)、愛し愛されている筈の妻にまで無視をきめ込まれた結果、余計に苛立つことになってしまった。この始末、どうしてくれよう!?