180km/hの不思議

今朝、妻と話していて驚いた。オヤヂが、Mazda Roadsterでは180 km/hを超えるとスピードリミッタが利いてしまうので、昨日の富士スピードウェイのスポーツ走行ではストレスが溜まった、と何気なく言うと、妻は、えっ? Mazda Roadsterは時速180 km以上出ないの? と、例によってボロ車を買うからそんな風に情けないことになるのよ、という反応を見せた。そこでオヤヂが、Roadsterがボロいのが理由じゃなく、日本車なのが理由だよ、というと、妻は全く理解できない様子。そこでオヤヂが更に、国内販売されている日本車は全て、180 km/hで速度制限機構が自動的に働くようになっているじゃないか、と言うと、妻は全く知らなかったと言って酷く驚き、逆にそれでオヤヂも驚く結果になったのだった。

車両価格1千万円以下の量産車としては、世界一の高性能車であるという呼び声の高い、あの日産R35 GT-R (車両価格が2千万円近いPorsche 997 Turboを凌ぐ程の性能なので、実質的な価値は2千万円以上とも言われる)でさえ、サーキットに居ることが車載コンピュータ用GPSで確認されない限り、180 km/hを超える車速は出せないようになっていることを妻に伝えると、妻はそのメカニズムに対して感動すらしていた。

改めて考えてみると、妻が国産車の速度制限機構について知らなくとも、宜なるかなという気もする。彼女も以前はずっと国産車に乗っていたが、公道しか走ったことがないので、180 km/h付近でどうなるのかを試してみる機会は無かった筈だ。また、現在我家にある乗用車3台のうち2台は所謂”外車”で、特に昨年、ドイツのAudi本社を訪れた際に、ドイツ車は250 km/hで速度制限機構が作動するよう業界自主規制を設けているが、PorscheとAudi R8は規制適応外なので300 km/hを超えた速度が出せる、という説明を受けているので、我家の外車たちも200 km/hを超える走りが朝飯前なことを、妻も知っている。そして、残る1台で唯一の国産車であるMazda Roadsterには、購入前の試乗で助手席に座ったのが彼女にとっての最後の乗車体験なので、Roadsterの速度計は見たことすら無いだろう。一方で、海外旅行でレンタカーを借りると、例え日本車でも海外仕様になっているので、速度計は当たり前の如く200 km/h以上が目盛ってある。そういう訳で、妻が国産車の速度制限機構を今迄知らなかったのは、至極当然なのだ。

ところで、国内販売されている全ての日本車で、公道を走行する限りは180km/hで速度制限機構が働き、殆どの車では速度計も180 km/h迄しか目盛られていないのには、何か理由があるのだろうか? 「クルマの雑学」というサイトの記載に拠れば、実は正当な理由があるようだ。東名や名神などの高速道路の最大勾配率は6%であり、その斜度の上り坂を100 km/hで登るには、風速5 m/秒の向かい風の場合、平坦な道で約189 km/h出せる力が必要らしい。日本の公道では、制限速度が100 km/hを超える道は無く、最大斜度が6%で向かい風5 m/秒という多少の悪条件でも制限速度が出せれば充分だ、ということで180 km/hでスピード・リミッタが作動するように作られているのだそうだ。ホッホォ~ッ、かなり説得力のある話だとオヤヂは思うのだが、如何だろう? だがしかし、最近のクルマは、国産車も外国車も目覚ましく高性能化が進んでいる(“速く進む”だけではなくて、「曲がる」や「止まる」といった走りの総合力で、超高性能)ので、そんな速度制限は半分無意味(制限速度が100 km/hの場合、180 km/hという値にも意味が生まれるかもしれないが、そもそも日本の高速道路の制限速度が最高でも100 km/hなのには、本当に意味があるのか?)な気はするけれど。

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