Lamborghini Gallardo LP560-4に乗ってみた!

今日は突然思い立ち、東京都内のLamborghini正規ディーラーに妻を伴って行って来た。今年始めに、麻布にあるディーラーを訪れて厭な思いをした訳だが、その後半年以上が経過し、一応心の傷は癒えたし、麻布以外の場所にあるディーラーなら大丈夫(何が?)だろうということで、江戸川区にあるディーラーにお邪魔してみた。勿論、2ヶ月前に発表のあった最新型GallardoであるLP560-4の実車を見せて貰うためだ(2008年6月5日の日記「今度のランボはいいかも?」参照)。

しかし、心の傷が癒えたとはいっても、多少疑心暗鬼になってしまい、「どうせ展示車両を見るだけだし…」という気持ちも働いて、予約無しに突然押し掛けてみることにした。自動車販売店(カーディーラー)とは、本来そういう場所な訳だし。そうしたら、意外にも非常に愛想良く出迎えて貰えた上に、入口を入るや否やオヤヂが一直線にGallardo LP560-4に向かって行くと、「どうぞ、ドアを開けてご自由に中をご覧ください。」とまで言って貰えたではないか! そこでオヤヂは遠慮なく運転席に座らせて貰い、シートポジションを動かしたりして少し遊ばせて貰ったのは勿論だ。

ところが、驚くのはまだ早かった。続いて妻が運転席に座ると、彼女には珍しく大いに興味を示し、販売員に矢継ぎ早に質問を浴びせ始めた。このボタンは何だ、とか、このパネルには何が表示されるのか、とか、表示データの色は何色なんだ、等の、オヤヂは雑誌やウェブで出回っている写真でとっくに知っているような、些細な点に関する質問ばかりだ。すると販売員の男性は、「エンジンをかけてご覧になれば、全てが判ります。」と言って、事も無げに妻に鍵を手渡し、「どうぞ、キーを捻ってエンジンをかけてください。」と言葉を続けるではないか!「えぇ~っ!?」と声を出して驚く我々夫婦。ここ、室内展示場なんですけど。躊躇い続ける妻に、「どうぞ。」と促し続ける販売員。とうとう妻が恐る恐るキーを捻った。次の瞬間、「バオンドゴドゴドゴ…」という信じられない爆音が、店内に響き渡る。Lamborghiniのエンブレム其の侭に、猛り狂いそうになるのを押さえ込まれている暴れ牛の鼻息の如き雰囲気だ。当たり前だが、超煩い。けれどもやがて(20秒後くらいか?)、エンジンが少し温まると、エンジン回転数が少し落ち、加えて何処かのバルブ(弁)が閉じて、猛牛の仔(Gallardoの愛称は”baby lambo”)は急におとなしくなった。文字通り、「静かだ」と表現するのが相応しい、近頃の中~大型普通乗用車と変らない音量だ。

だが驚くのはまだまだ早かった。次に妻が販売員に訊いた質問が、「これ、頼めば直ぐに買えるんですか?」というものだったのだ! ユニクロのポロシャツに身を包んで訪れているオヤヂが、一瞬我が耳を疑ったのは言う迄も無い(だって奥さん、このクルマが1台お幾らか、貴女もご存知な筈でしょ?)。しかし販売員は、狼狽を隠せないオヤヂには目もくれず、にこやかな笑顔を絶やさぬ侭、「今ご注文戴ければ、ほぼ確実に年内にお届け可能です。」と妻に言ったのだ。しかも続けて、「ご購入をご検討くださるお客様でしたら、是非ともご試乗戴きたいと思います。」ですと。

オヤヂは心底驚いた。試乗車の用意は可能だが、事前予約が必要、というようなことがウェブサイトには明記されていたし、店内にあるのは見るからに展示車だったから。しかも、外見に違わずオヤヂは貧乏だ。”購入を検討”なんてことができる身分じゃござんせんよ、あなた…。しかし、そんな考えがオヤヂの脳内を駆け巡っている最中にも、オヤヂの口は勝手に動き、興奮し過ぎて擦れた声で、「いっ、いいんですか? じゃぁ、是非乗らせてください。」と言っていた。

こうして、オヤヂはLamborghini Gallardo LP560-4に乗ってしまった。助手席ではなく、運転席に座り、自らステアリング・ホイールやレバー類、そしてペダル類を操作して、詳らかにはできない速度で、公道を走行した。普通に走る分には、大型普通乗用車と全く変らず、静かで快適で、運転に特に気を遣わされる点も無い。しかし、ひとたびガス・ペダルをグイと踏み込めば、そこはもう完全に別世界だ。カタログ・データでは0-100km/hが3.7秒となっているが、市販車でこんな加速感を味わえるものは、世界中で数える程しかない、ということを知っている人すら、殆ど居ないだろう。しかも、これだけ快適で安全なクルマ、という条件まで付けてしまえば、これはもうライバルは居ないも同然だろう。エンジン回転数が上がるに連れて、指数関数的に高まる排気音の音量と音程もすごくイイ。Ferrari社のクルマたちにも負けない音色だと素直に思った。

店長の運転するLP560-4の助手席に乗せて貰った後の妻の顔も、オヤヂの顔に負けないくらいに満足げであったことも付け加えておこう。

とにかくイイ、全てが素晴らしい。Lamborghini Gallardo LP560-4: 現時点で、オヤヂの知り得る限り、「誰でも気楽に乗れる」世界最高レベルのスポーツ・カーである。

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