Nippleの話

ふとした気の迷いで、超久し振り(何と5年半振り)のブログ更新である(笑)。今回は、nippleの話だ。ニップルと言っても、お父さんの好きな乳首の話ではないので悪しからず。

左の写真の上パネルと下パネルの違いをお判り戴けるだろうか?
(※ 写真をクリックすると拡大表示されます。)ちょっとここで、念の為に自転車パーツの名前の確認。車輪の、タイヤ以外の部分全体を「ホイール wheel」と言い、ホイールの中心の回転軸周りを「ハブ hub」、ホイールの辺縁(円周)部を「リム rim」と呼ぶ。そして、ハブからリムに向かって放射状に伸びている針金状の棒が「スポーク spoke」で、スポークを引っ張ってリムに固定するボルトが「ニップル nipple」だ。写真被写体は自転車のホイールだが、上パネルにはニップル が写っているのに対して、下パネルではニップルが確認できない!上パネルは「外ニップル external nipple」と呼ばれるのに対して、パネル下は「内ニップル internal nipple」と呼ばれるもので、ニップルがリムの内部に隠されているのだ(写真参照)。

一般的に、自転車の保守整備で大事な位置を占めるものの一つが、スポーク張力の調整・維持である。スポークの張力が適正でないと、ホイールが歪むし、リムやスポーク自体の破損にも繋がる上に、リムを制輪子(brake shoe)で挟み込んでブレーキを掛けるタイプの自転車なら、ブレーキが効かなくもなり得るからだ。スポーク張力の調整は、他でもない、ニップルを締めたり緩めたりして行う。External nippleは、写真2の如き「スポーク(ニップル)レンチ spoke wrench」を使って回すことができる。

オヤヂは以前から、internal nippleの存在は知っていたが、リムの内部に隠されたニップルをどうやって締めたり緩めたりするのか、不思議に思っていた。しかし、当然ながら専用のニップルレンチがあり、リムの外周面(本来ならタイヤに隠されている面)の穴からレンチを差し込んで、ニップルを回すらしい。ニップルの形状も、externalとinternalでは当然異なる(写真5が外ニップルで写真6が内ニップル)。Internal nippleにすることの利点は、ニップルがリムを貫通する必要が無く、スポークがギリギリ通る小さな穴を開けるだけで済むので、リムの強度を保ち易くなることだ。そして欠点は勿論、保守整備のし難さに尽きる。特にクリンチャー(チューブ内蔵型)の場合、例えスポーク1本のみの張力をちょっとだけ強めたい(弱めたい)としも、タイヤを外し、チューブを外し、リムテープまで外して、漸くニップルにアクセス可能になるなんて、超面倒臭ぇ~!

しかし、次回ホイール(スポーク)を自分で手組する際には、是非ともinternal nipple仕様にしたいと思ってしまう変態オヂサンであった(笑)。

Nippleの話」への2件のフィードバック

    1. コ○ド○さん、早速のコメントを有り難うございました。日本の医学用語だと、柔らかい突起を頻繁に「乳頭」と表現します。例えば、毛髪の根元(毛根)の生長点も「毛乳頭」です。欧米だとラテン語系の表現になるので、医学英語でもnippleではなくpapillaを使いますから、一般人の前で大声で言っても恥ずかしくないですね。それなのに、自転車用語でnippleが用いられているのを最初に知ったときは、かなり意外に感じました(笑)。

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