気が付けばもう日本

ファーストクラスの様子 40歳台半ばにして、オヤヂの人生で初となる、ジェット旅客機のファーストクラス搭乗。それは、驚きと興奮のうちに始まり、実にあっけなく終わった。まず、飛行機の入口で客室乗務員に搭乗券を見せると、乗務員が其の侭我々夫婦を座席まで案内してくれたので驚き、続いて乗務員が自己紹介をしながら次々と握手を求めて来たのでまた驚く。やや落ち着いてから機内を見渡すと、そこは何処かの応接室かと見紛うばかりの風景である。

前菜 離陸前から、アルコール飲料を含めたwelcome refreshmentsが配られたのは噂通りだが、同時に、歯ブラシやローション類のパッケージと一緒にパジャマまで配られたのには、再度驚かされてしまった。そしてまた驚いたことに、ファーストクラスに乗り慣れている(と思われる)人々は、次々にトイレに入り、さっさとパジャマに着替えて出てくるのだ。そこで、オヤヂも真似をしてパジャマを持ってトイレに入ってみると、そこは見慣れた(エコノミークラスやビジネスクラス用の)トイレではなく、かなりゆったりとした空間を持つ個室で、便器の上に折り畳み式の座席を引き出せるようになっているので、無理なく着替えのできるdressing roomそのものであることが判った。既に何度も驚き、興奮気味だったオヤヂは、これで感激し、更に興奮度合いを増すことになった。

まだ前菜 そうして、パジャマに着替え終わって席に着くと、次々と運ばれてくる酒や料理の数々に圧倒されまくった(つい先程までも、空港ラウンジで散々飲み食いしていたのにも拘らず、である)。訊けば、メニューに掲載されている料理は、全て、いつでも、何回でも、食べたいときに食べたいものを食べたいだけ(しつこい?)、頼めるのだそうな。えぇ~っ、とそりゃもう嬉しくなってしまったオヤヂは、飛行機が離陸したのにも気付かない程に、喰いまくり、飲みまくった。そういえば、機長が、本日の飛行予定時間は11時間25分だ、と言っていたような気はするし、それに対してオヤヂは、おぉ、そんなに長時間喰い・飲み続けられるのかぁ 😆 、と歓びを新たにした覚えもある。しかし、シャンペンや白ワインや赤ワインを何種類も飲み、お通しや前菜やサラダやメイン・ディッシュを食べ、口直しにとウイスキーを飲んで、ちょっと一休みしようと、一応歯磨きをして、座席を文字通りフル・フラット(=完全なるベッド状態)にした直後から、もう記憶は無い。次に気が付くと、着陸2時間前だった。 😯

しまった、メニュー掲載料理の10分の1も未だ食べていないじゃないか、と慌てたオヤヂは、取り敢えず”A basket of fruits”というのを頼んでみたのだが、出て来た代物は、文字通り籠一杯の果物で、オヤヂの知る常識的な機内食用としては10人前くらいの量だったが、二日酔い気味で、のどが乾いていたオヤヂは、あっという間にガツガツと完食。のどの渇きの癒えたオヤヂは、続けて牛肉粥なるものを頼んでみたり、パンに紅茶で気取った朝食風を装ったりしてみているうちに、いつの間にか成田空港に到着してしまった為に、オヤヂの暴飲暴食の旅も、終わりを告げることとなった。

しかし、こんなにあっという間に(というか寝ている間に)、全く疲れずに欧州-日本間を飛べるのなら、お金を出して乗る価値は充分にある(と思いたくなってしまう)ファーストクラスであった。 :mrgreen:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です