今年も確定申告完了

今年も、確定申告が完了した。

20世紀中には、確定申告用書類の作成作業の煩わしさに辟易していた。各種数値(金額)の算出にはMS社のExcel を使うことでかなり負担は軽減されたが、マクロ機能等を駆使しても(というのか、駆使する為のプログラミングは尚更面倒だし)、”所定の用紙”への出力は 結構面倒な作業であった。当然、PC出力を筆記で転写するのも厭だった。20世紀と21世紀の狭間には、米国の雇用主からの収入に依って米国内で生活して いた為、米国で確定申告をする必要があったのだが、その際、マニュアル類は勿論のこと、申告書類(the tax-filing documents)迄もが全てペーパーレスの電子書類(on-line documents)となったシステムが確立されている事に、大いに驚いたものだった。そして、米国のIRS(財務省・国税庁; Internal Revenue Service, Department of the Treasury)は、日本の国税庁よりもずっと先進的且つ効率的だと感心する一方で、帰国後の生活を考え、日本にも同様のシステムが導入されることを望 んでいた。

すると、21世紀になって、日本でも国税庁のウェブサイトで、確定申告用書類の作成用プログラムの無料公開が始まり、一昨年あたりからは電子申告の 受付も開始された。要するに、一見、オヤヂの望んでいた仕組みが、オヤヂの帰国と時期を同じくして導入されたことになるので、当然ながらオヤヂは喜び、昨 年からは電子申告を始めてみている。

しかし、これが思った(期待した)よりもずっと不便なシステムだった。今年からは、国税庁のウェブ・サイトで直接、電子申告書類を作成・送信できる ようになったが、昨年まではe-Taxという(無料配布はされているが)専用ソフトを使って電子申告書類を作成しなければならなかった。しかも、電子書類 には、公的個人認証システムを介した電子署名をしなければならない。公的個人認証システムを使用するには、事前に個人情報を登録したICカードを取得して おかねばならないが、当然のことながら、情報登録/カード取得は有償のサービスである。また、カードに記録された情報をパソコンで使用する(読み取る)為 には、ICカード・リーダーなる専用機器が必要となる。

従って、自宅やオフィスから出ることなく、しかも紙の書類を介さずに、オンライン(インターネット経由)で確定申告が可能、であることには偽りがな いものの、事前の認証カード取得(オヤヂは住民基本台帳カードを500円で貰った)の為には何れかの機関に出向かねばならないし、機器を含めて数千円単位 の初期投資も必要となるので、年1回の行事の為に、果たしてそこまでの代償を払う価値があるのか?という疑問も湧いてくる。しかも、源泉徴収票や株式売買 に関する書類等、申告内容が正しいことを証明する為の補助書類の提出が未だに義務付けられている為、結局は全てをオンライン送信で済ませられる訳ではな く、少なくとも補助書類は郵送しなければならない(今年は昨年と違って、補助書類提出用の料金先払封筒が、予め税務署から郵送されてきたので、補助書類郵 送料はタダになったが)。一方、確定申告用紙は、誰でも(事前登録無しで)オンライン入手可能だし、税務署から郵送だってして貰える。書類の提出も郵送で OKだ。オンライン(電子)申告をしようが、オフライン(紙)申告をしようが、どちらにせよ書類の一部または全ての郵送の手間は1回。だったら何も、電子 申告に拘る必要は無いんじゃない、ということになる。それでも、オヤヂは来年以降も電子申告を続ける積りだ。だって、もう初期設備投資を済ませてしまった 以上、それを使い続けないのは無駄なんだもん。 😎

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