琥珀色の「音」

以前から書いているが、オヤヂは酒好きだ。そして、”最後に飲むなら?”の類の問いの答えを考えると、酒の中でもウイスキー、特にスコッチが好き だ、ということになる。更に言えば、スコッチの中でも、シングル・モルトのウイスキーが格別に好きだ。The Macallan, Glenfiddich, Bowmore, そしてGlenlivetくらいしか知らないし、しかも貧乏なオヤヂはあまり年代ものは飲んだことがなく、古くとも精々18年モノ程度であるが、夫々に爽 やかで深遠な個性があり、ともかく好きだ。

そんな大好きなsingle malt Scotch whiskiesが切れそうになったので、最近見つけたお気に入りの酒屋(やまや)に買いに出掛けた。そうしたら、今迄存在を知らなかった、 Ballantine’sのpure maltという奴があったので、GlenfiddichやGlenlivetと一緒に買って来て、早速飲んでみた。その結果、おいしいと思った。Pure maltではあるがsingle maltではないので、複数のmalt whiskiesをブレンドしてあるのだろうが、そのせいで強烈な個性の主張は無く、しかもgrainとのブレンドのような厭な臭味も無く、非常に素直で 穏やかな味だった。Single malt whiskiesの爽やかな個性はとても好きだが、たまには没個性の穏やかさも逆に新鮮に感じられて良い。

それにしても、開封直後のウィスキーを注ぐ際の、「トクトクトクトクトク…」という音は、いつ聴いても素晴らしい。まさしく美しく透き通った琥珀色 を連想せずにはいられない音だ。氷(ロック)の上に注ぐと、氷が少し溶けて向きを変え、その際にグラスと触れ合って立てる「カラン!」という響きが加わる のでもっと良いが、残念ながらオヤヂは溶けた氷の発する水で折角の酒が薄まるのが厭なので、ストレイトでしか飲まない。故に氷とグラスの奏でる音は、チェ イサーを用意しない限り聴くことができない。しかし贅沢は言うまい。琥珀色のトクトク音だけで充分だ。でも琥珀色の音は、開封直後にしか出ない。瓶の内容 がちょっとでも減ってしまうと、もうしなくなる。Pourerで、ずっと琥珀色の音がし続けるように造られているものが、あったりしないだろうか? もしあれば即購入するのだけれど。

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