生パスタ作り、一歩前進?

暫く前に、小麦粉を纏め買いした。纏め買いとは言っても、高々計6kg(デュラム・セモリナ粉 3kg, 00[ゼロ・ゼロ]粉 3kg)なので、威張れる訳ではない。いつもより多めの小麦粉購入に踏み切った理由は単純で、「(投機目的での)ガソリン(先物)価格の異常な高騰の影響で、代替燃料としてのエタノールの原料である穀物類の(先物)価格も高騰し、例えば小麦粉を使ったパンや麺類等の価格が今後軒並み上昇する。」というニュースを耳にし、小麦粉の実勢価格も近々上昇する筈だ、と思ったからに過ぎない。

小麦粉は、元々それ程高額商品ではないので、例えば2割の価格上昇があっても、一般消費者であるオヤヂが少量購入する限りでは、幾ら貧乏でも購入を躊躇う程にはならない筈であるが、兎に角、何となく勢いで沢山買ってしまったのだ。そして、沢山材料があると、それを使ってみようという気にもなり易いもので、この連休中には連日ピザ生地やパスタ生地を作ることになった。

まずは、休日の我家の昼食の定番の1つである、手作りpizza生地(dough)から。通常、pizza doughは、小麦粉、酵母、塩、油(オリーブ油やバター)、水、の5つの材料を適度に混ぜ合わせて作る。しかし、オヤヂは今回、ふとした戯れ心から、よりパン(bread)に近い素材を使ってみることにして、鶏卵を加え、水の代わりに牛乳を使う、という冒険をしてみた。その結果、出来上がったdoughは一見しただけではいつものdoughとの違いは明らかでなかったものの、焼きあがったpizzaは、モチッとしていつもよりも”重たい”食感であった。べつに不味いという訳ではなかったのだが、妻とオヤヂは、どちらかといえば薄くてパリッとして軽い感じの、所謂crispyなpizzaが好みなので、そういった基準からすると、今回の冒険は失敗だった。

続いてpasta。オヤヂが思うに、麺作りで最も大切/難しいのは、生地を捏ねる/練り上げる際の水加減だ。蕎麦やうどんを打つ名人と言われる人々が異口同音に、季節や天候で水分量を加減する、という話をするのを、誰しも1度は聞いたことがあると思う。Pastaも麺の一種なので、本質的には同じことが言えるのだが、pasta作りの場合、基本的には”水”そのものを加えることはせずに、鶏卵に含まれる水分のみで練り上げるのが普通である。従って、水加減というものも基本的には存在しない為、蕎麦やうどんよりは、素人でも一定水準以上の出来栄えのpastaを作り易い、というのがオヤヂの持論だ。しかし、基準を上げれば、当然話は別だ。例えば、卵には大小があるので、大きな卵を使えば、当然1個当りの含有水分量が多くなる道理であるから、同量の小麦粉に対してなら、大きな卵と小さな卵では、前者の方が後者よりも軟らか目の生地が出来上がる可能性が高まる。また、気温(室温)と湿度も重要で、室温が高い方が生地が軟らかくなり易いし、湿度が低いと生地が生地が乾燥し易く、程好く纏まってしっとりとして色艶の良い生地を得難い。特に、真冬に(エアーコンディショナによる)暖房の効いた部屋でpastaを打つのは、素人には向かない作業だとオヤヂは自らの経験上信じており、冬季のpasta作りはなるべく避けてきた程だ。

しかし、今回は勇気を出して、pasta生地作りでも冒険をしてみた。自らの手に伝わる感触を信じて、ほんの僅かではあるが、水を加えながら(30分間で2、3度、手掌を水道水で湿らせた程度)、生地を捏ねてみたのだ。結果は大成功。水加減を手で感じ取り、文字通り加減することが出来るようになったことで、オヤヂは自分で、素人としては一皮剥けたかな、と思ってしまった。自己採点では、この3年間に作った全生地の中で、上から3位以内に入る、と思える生地だった。それを細切りにして普通のspaghettiとして食しても、間違いなく絶品だったであろうが、今回は薄い板状に伸したものを、挽肉、野菜、チーズ類と併せて、美味しいlasagnaに妻が仕上げてくれた。

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