参加者は、ALPINA Roadster Sにお乗りのk7_さん、BMW E46 M3にお乗りのTM3さん、そしてMazda RoadsterとPorscheのチューニングを手掛ける(有)Brightning代表の嶋崎さん率いるMazda Roadster軍団(NA 2台、NC1 3台、NC2 1台)、及び、やはりMazda NC1 Roadsterの小生、の計9人。インストラクタは、チーム「ターマックプロ」から今年のS耐への年間フル参戦が決まった井尻選手。いつも、丁寧でホントに一所懸命な指導をしてくださるのに、オヤヂはちっとも運転技術が向上しないので、申し訳なくて堪らない。
今回のコースコンディションは、降雨に因る「ウェット」だったわけだが、コース上に水溜りや川などができてしまう程の激しい雨は降らなかったので、コース全体が比較的均一に濡れている(=全体的に同程度の低摩擦係数)という、オヤヂの如き初心者の練習には丁度イイ状況だった。そういう低摩擦係数の路面では、下手糞(乱雑・粗暴)な操作の影響がクルマの挙動の乱れとなって如実に現れ易いので、丁寧な操作を心掛けながら、クルマの動きの変化を敏感に感じ取り、適切な反応・操作(の修正)で対応するように努めなければならない。そんな中で、オヤヂの欠点は相変わらず幾つも明らかになったのであるが、自分でもハッキリと理解でき、且つ直ちに改善に取り組むべき課題だと感じたのが、ブレーキングと、シフトワーク(実はクラッチ操作?)だ。


オヤヂには、コーナー手前のブレーキングが遅れがちな傾向があるのは解っていた。しかも、初期のブレーキペダル踏力が強過ぎ(前につんのめり過ぎて後輪が浮き上がり気味になり、クルマの動きが不安定になり易い)、終盤の踏力の抜きが早過ぎ(折角前輪に荷重が掛かってクルマが曲がり易い状態だったのに、急に荷重が抜けて曲らなくなってしまう)、結果として、コーナリング中のクルマの挙動が乱れ易いのだ(図赤線)。本日のトレーニング開始直後に早速その点を指摘されたオヤヂは、早めにブレーキを掛け始めるように心掛けたが、そうすると早く減速し過ぎる気がしたので、初期のブレーキペダル踏力をイイ加減に弱目にして”適当”に速度を落とし、終盤ではクリッピング・ポイントにクルマを寄せる(=前輪に荷重を掛ける)為に、再びブレーキペダルの踏力を強くして帳尻を合わせる、というお莫迦なことをやるようになってしまった(図青線)。その結果、旋回速度が極端に落ち、それに続く直線への立ち上がり加速が鈍くなる、というお粗末な状態だ。これに対して、井尻選手のブレーキング(図緑線)は、初期踏力の立ち上がりは素早いけれども最大踏力そのものは強過ぎない状態で車速を適切に落とし、あとは旋回速度を落とし過ぎないように、適度にブレーキペダル踏力を抜きながらも前輪荷重は残せるようにペダル踏力も残し、クリッピングポイントに向けて自然にクルマを寄せる、というものなのだ。
2つ目の課題であるシフトワークについては、コーナー進入に向けて減速して行く際に、ヒール&トウを用いてエンジン回転数を合わせながらシフトダウンする訳だが、オヤヂはその際にエンジン回転数を合わせられない、という問題である。右足先(母趾側)でブレーキペダルを踏み、左足でクラッチペダルを踏んでクラッチを切って一段低いギアにシフトチェンジすると同時に、右足先ではブレーキペダルを踏んだ侭で右足踵(小趾側)でガスペダルを一瞬だけ強く踏んで、一段低いギアでも現在の車速維持が可能なくらいにエンジン回転数を上げてから、左足のクラッチペダルを上げてクラッチを繋ぎ、右足先ではブレーキペダルを踏み続ける(そしてエンジンブレーキを伴ったブレーキを掛け続ける)というのが、ヒール&トウである。そして、クラッチを繋ぐ瞬間に、そのギアに於けるエンジン回転数と車速(ドライブシャフトの回転数)とが整合していない場合、差分の回転はクラッチが吸収することになる。けれども、もしもクラッチが吸収し切れない程の回転数差が両者の間にあると、クルマは一瞬加速する(エンジン回転数が車速に比して高過ぎる場合)か、クルマが一瞬減速した後にエンジン回転数が上がる(エンジン回転数が車速に比べて低過ぎる場合)ことになる。オヤヂの場合には、頻繁に後者の現象が起きてしまう。当初これは右足踵でのガス・ペダルの踏量が少ない為だと思っていたのだが、どうやら実は、エンジン回転数を上げた後、クラッチを繋ぐのが遅すぎる為、折角上がっていたエンジン回転数がクラッチが繋がる時には下がり切ってしまうのが原因らしいことが、車載ビデオ映像(音声)解析で判った。即ち、左足で踏んでいるクラッチペダルを戻す(放す)速度乃至はタイミングが遅かったのである。これまで、オヤヂは自分のこの欠点を意識したことは皆無だったので、一筋縄では治らない、根強い癖である可能性が高い。今後暫くは相当しっかりと意識してクラッチペダルを適切なタイミングで素早く戻す訓練をしないとならない筈だ。
そんなこんなで、井尻選手に同乗走行・逆同乗走行をお願いしながら、8:30 AMから4:30 PM迄の丸一日で110周余りを走ったが、上記の課題は最後まで克服しきれなかった。それでも、ガソリンが減って車体が最も軽く扱い易くなった午後3時台には、1分19秒~20秒の安定したタイムで15周連続周回することもできたし、ベストラップ(1’18″914)もこの際に記録したので、朝に比べれば多少の進歩はあったのだと思いたい。
進歩の乏しいオヤヂに対して、k7_さんやTM3さんは、一日のうちで夫々長足の進歩を遂げられ、k7_さんに至ってはTM3さんを助手席に乗せ、カメラをTM3さんの手持ちで、走行中のビデオ撮影を敢行! その動画を拝見すると、画像のブレが全く無いスムース・ドライビングなので恐れ入ってしまう。TM3さんも全く怖さを感じなかったと感想を述べていらっしゃる。 🙄 お2人とも、久し振りのサーキット走行(しかも初コース)をちゃんと楽しまれ、満足なさったようなので、よかった、よかった。嶋崎さん率いるMazda Roadster軍団は、ボスを筆頭に皆さんとてもお上手且つ莫迦っ速なのにも恐れ入った(想定事項ではあったが)。

走行終了後は、第1回目の「のんびり走行会」の時と同じ、あだたら高原岳温泉 庭園の宿 松渓苑に宿泊したが、そこの美人若女将にお酌して貰って飲むビールは、格別美味だった。