2011年の走り収め@FSW (Gallardo LP560-4)

本日は、今年の走り収めとしての富士スピードウェイ(FSW)スポーツ走行に、Lamborghini Gallardo LP560-4で臨んだ。エビスの走行仲間のU氏が、660馬力超のスーパーチャージャ仕様BMW M5で、師匠の井尻 薫 選手と共にお付き合いくださった。

車検から戻ってきたばかりで最高のコンディションにある筈のGallardo LP560-4だし、先日の忘年会で井尻選手から戴いた2011年のドライビング・レッスン通知表で指摘された反省点を頭に叩き込んでイメージトレーニングを積んでFSWに乗り込んだオヤヂは、今日こそは脅威の自己ベスト・ラップタイムを記録する積りだった。実際、気温も路面温度も低く、風も殆ど無い薄曇りの、これ以上は無さそうな絶好のドライ・コンディションなので、もしかしたら1分56秒台も夢じゃないンジャネ?くらいの楽観的な気分だった。

ところが、蓋を開けてみると、現実はそれ程甘いものではなかった。当たり前か…。いざ走り始めてみると、クルマの動きが激しく不安定で、怖い! ピットを出て、新品の後輪タイヤ(YOKOHAMA ADVAN Neova AD08)の表面薄皮を剥く積りでアウト・ラップを終え、最終コーナー立ち上がりからスロットル全開でアタック・モードに入ったのだが、ホームストレート・エンド(1コーナー手前)の250m看板付近でブレーキを踏み始めた瞬間、リアが想定外に大きく暴れて、真っ直ぐ前に進まない! メーター読みで280km/h (ロガーに記録されるGPS実測速度で270km/h)の高速で真っ直ぐ進めない時の恐怖は、筆舌に尽くし難く(という程でもないが…)、体験してみないと判らないだろうなぁ…。とにかく、「ヒョエェ~ッ、おっかねぇ!!」と思いながらも必死にステアリングを握り締め、恐怖心を押さえて減速を続けながら1コーナーのクリッピング・ポイントを目掛けて飛び込んで行く。

…べつにハンドリングは悪くないよなぁ、などと一瞬考えながら2コーナーを通過しながらフル加速。直ぐにAコーナーが近付いてくるので、早目の減速(曲がる為のブレーキング)開始から、(オヤヂの本来の感覚より)早目の進路変更へ。う~ん、以前より無理なく曲がっている積りなのに、何処か不安定な気が…。しかし、オヤヂにとっての鬼門の100Rの侵入へ向けて集中しなくてはならない。が、相変わらずブレーキ・ポイントが解っていないオヤヂは、本来のターニング・ポイント前で減速し過ぎてしまい、慌ててガス・ペダルを踏み直し、クリッピング・ポイント付近で再減速する羽目に。この”癖”は、後でロガー・データを見た井尻さんに「風変わりな走行速度グラフですね。」と皮肉交じりに嘲笑された。先日の忘年会で渡された通信簿で、FSWのブレーキ・ポイントを理解していない!と厳しい評価を貰ったので、注意して走行する積りだったのに駄目だなぁ、トホホ。

けれども気を取り直して、100Rを抜けてヘアピンから300Rへ。ヘアピンの飛び込みも立ち上がりもオヤヂのイメージ通りに走れているので、300Rへ向けて順調に速度が上がって行くが、何故かいつにも増して怖いぜぃ!右内側の縁石ギリギリをかすめてほぼ直線ラインで300Rを抜けて行く積りでも、左外側にスッ飛んで行って仕舞いそうな不安定感が拭い去れず、どうしてもスロットルをフラット・アウトできず、一瞬ガス・ペダルを数ミリメートル戻してしまう。そして、ホームストレート・エンドと同様に急制動が必要な、ダンロップ・コーナー(シケイン)への飛び込みの際も、やはりブレーキングでリアが暴れる…!

続く最終セクションは、ブレーキ・ポイントもライン取りも、相変わらず何となく確信が持てない侭にダラダラと走り、特に最終コーナーは何処で曲がったらイイのか判らねぇ!と思いながらホームストレートへ。流石にストレートでは、スロットル全開でゴールラインを横切る、と、タイムは2分フラット。んー、もっと頑張らねば、という焦る気持ちとは裏腹に、その後はなかなかクリアラップが取れず、ラップ・タイムは1分59秒台がやっと。苛々が募る周回を重ねながら、8周目に漸く1’58″458をマーク。2本目以降の走行でも、1’58秒台後半を出すのがやっとだったので、畢竟このタイムが本日のベスト・ラップとなってしまった。

結果が、楽観的な予測ラップタイムには遥かに及ばず、オヤヂは大いに落胆しながら、井尻師匠に本日の基準タイムを出して戴く為に、LP560-4のキーを預けた。ところが、3周のアタック・ラップを終えてピットに戻って来た井尻さんが、開口一番「リアが不安定っすねェ!」と宣ったのには、オヤヂは一瞬驚き、次に程なくして”やっぱりぃーッ?”という気になった。基本的にオヤヂが感じたのと同様、ブレーキングでも高速コーナーでもクルマが不安定で、Aコーナーはまだしも、300Rで初めて怖いと感じたと仰った。そうでしょう?とオヤヂは思ったが、記録データを確認すると、オヤヂと違って300Rはきちんとフラット・アウトで抜けていらっしゃる(汁)のは、やはり流石である。井尻さんのベスト・ラップは1’57″911だったが、オヤヂとの0.6秒の差は、この300Rで一瞬スロットルを戻すか否かから始まり、あとは全て最終セクションで付いた差なのである(泣)。

オヤヂの驚きに更に追い討ちを掛けたのが、「オレがこれ以上アタックしても、今日のこのクルマの状態では57秒を切るのは無理ッス。」という井尻選手のお言葉。クルマの不安定度合いは、オヤヂが考えている以上に尋常ではないようだ。根っからの楽観論者のオヤヂは、それを聞いて「もしかして、本日のオヤヂのベストが目標タイムに遠く及ばなかったのは、オヤヂの腕のせいではなく、クルマのせいだったのか?」などと、チョッピリ嬉しくなってしまったりしたものだから、始末が悪い。それはとにかく、以前はもっと安定した走行性能だったのに、車検から戻ってきたばかりで本来なら最高の状態である筈が、不安定なクルマに豹変してしまった原因を、車検に際して行った「整備作業」に求めるのは至極当然なので、二人で(というのかほぼ井尻さん単独で)考え得るモノを列挙してみたところ、最も可能性が高いのは、リア・ブレーキ冷却用導風ダクトだろう、ということになった。

前回のFSWスポーツ走行には、リア・ブレーキ用導風ダクトを新規装着して臨んだのであるが、その時に期待した程は導風ダクトの冷却効果が表れなかったので、実を言うと今回の車検絡みで車両を某所に預けた際に、序でにリアの導風ダクトを延長して貰ったのである。今迄は、導風ダクトの開口部は、床下パネルの外(下)面より下側にはギリギリで出ないように収まっていたのだが、伸長加工によってダクト開口部は床下パネル外面より下側に2cm程度顔を覗かせるようになった。それによって、導風ダクトの空気取り入れ効率は格段に良くなった筈だが、それがかえって仇となり、150km/hを超えるような速度になると、床下の空気抵抗が半端でなく高まって、車体後部を浮き上がらせるような悪影響を及ぼしている可能性がある、と考えられるのだ。

この仮説の真偽を検証する為の、最も簡単且つ確実な方法は唯一つ:リア・ブレーキ冷却用導風ダクトを取り外した上でのFSW走行、である。言うまでもなく、なるべく近い内に検証作業を行いたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です