明日のAutodromo Internazionale Enzo e Dino Ferrari di Imolaの走行に備えて、Lamborghiniのインストラクタ達から、サーキット走行時の注意点と、Lamborghiniの新フラッグシップ・モデルであるAventador LP700-4についての説明を受けたあと、
食べきれない程の量のディナー・フルコースを食べた。今回のLamborghini Race-track Experienceの参加者は、スイス、ドイツ、イギリス、ケニア、メキシコ、インド、そして日本(オヤヂ)からと、非常に国際的なグループである。が、時差ボケとワインに因る酔いと戦いながら、3時間余り英語で談笑するのは、正直言って苦痛だったなぁ…。
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Bologna 2日目朝
初秋のFISCOスポーツ走行(Gallardo LP560-4)
急に仕事がキャンセルになって終日暇だった今日、オヤヂはこれ幸いと富士スピードウェイ(FSW / FISCO)迄スポーツ走行に出向いた。先週は雨天だったので、予定していたLamborghini Gallardo LP560-4のリア・ブレーキ用導風ダクトに依る冷却効果の検証がきちんとできなかったので、薄曇の今日こそはしっかりとテスト走行を敢行したかったのだ。只、何しろ急な話なので、残念ながら一緒に走ってくれる仲間は見付からず、オヤヂは独り寂しくLP560-4をピットに駐めた。
公道走行可能な一般車の走行枠のうち、本日の最初は40分枠だったが、オヤヂは時間一杯走り続ける積りで、張り切って走り始めた。結果として、アウトラップとインラップを入れて21周(正味の”アタック”走行19周)したので、ラップ・タイムが2分そこそこのオヤヂとしては、文字通り枠を目一杯使い切ったことになるし、FSWの連続周回数・連続走行時間共に、自己最高記録である。お陰で、その1本の走行だけで疲れ切ってしまい、以降の走行はせずに、すごすごとサーキットを後にすることになったのだが…。
先週のフル・ウェット・コンディションとは異なり、本日はドライ・コンディション、しかも、晴天ではなくて薄曇で気温も20℃少々迄しか上がっておらず、勿論路面温度もさほど高くはなさそうだったので、タイムを狙うにはまずまずの条件だったと思う。しかし、完璧なコンディションとは言い難かった:のんびり周回する車両が意外に沢山いて、クリアラップが取れなかったのだ。特にオヤヂにしてみれば気が知れないのが、トヨタ・プリウスで、滅茶苦茶なライン(基本的には、常にコースの真ん中!?)をゆっくりと走り続ける輩だ。他人の走行を邪魔する”通せんぼ爺”になる為だけに走っているのか? 例えば、エコカーでエコ走りの練習をするのも悪くないと思うし、エコ耐久レースの類も最近は増えているようなので、実際に練習も必要なのかも知れない。しかし、サーキットを走る以上は、そのサーキットの最も効率よい走り方をきちんと学んで走るべきだろう。学んだことがないのなら、せめて学ぶ(=誰かの教えを請う)努力をすべきだ。滅茶苦茶なラインを走っていては効率を追求できる筈が無いし、第一サーキット走行の醍醐味が半減してしまうだろうと、オヤヂは思う。そして、他の走行車たちにとっては、邪魔で危険極まりない存在なだけだし。
だが、文句ばかり言っていても仕方ないので、我慢してとにかくオヤヂは走り続けた。コーナー毎に通せんぼ爺が居る感じで常に走り難く、2分2秒台や2分1秒台の不本意なラップが続く。10周目前後には多少空いて比較的走り易く感じた時もあったが、既に20分も全開走行を続けていたせいで、タイヤ温度/ブレーキ温度が上がり過ぎ、コーナリングの正確性が怪しくなる一方で、気ばかり焦ってタイムが伸びず、どうしてもラップタイムが2分を切れない。2、3周は2分10-12秒で周るクーリング・ラップを挟んでみたりしたものの、畢竟最後まで2分は切れなかった。本日のベストは2’00″143で、他にもほぼ2分フラットというのが数周あった。
今回タイムが出なかった原因の1つは、通せんぼ爺たちを別にすれば、Aコーナーのブレーキングが下手糞だったことである。7月に走った際にはもう少し巧く出来ていた筈なのだけれど、今回は先週のウェット・コンディションのイメージが頭に染み付いてしまっていたのか、不必要に減速し過ぎてしまっていた。走りながら自分でも、嗚呼ブレーキを掛け過ぎダナ、とは思っていたのだが、後でロガーの記録データを検証してみると、一目瞭然だ。しかし、2コーナーを抜けてAコーナーに侵入直前の車速は190km/h前後なのだが、軽いブレーキングでボトム・スピードが110kmを下回らない程度でなるべく緩い弧を描いて抜ける、というのは結構難しいんだよね。綺麗に舗装してあるエスケープ・ゾーンがとても広いので、オヤヂの場合恐怖心は全くないのだが、鳥瞰図(俯瞰図)よりも急に見える錯覚の影響からか、気を抜くと簡単に速度が110km/hを下回ってしまうのだ。…気合が足りないな! ロガー・データを見て戴いた井尻さんからは、ステアリングの舵角が少な目なので、曲がり切れなくなりそうだったらもう少し切り足すくらいの感覚で良いのではないか、というアドバイスを戴いた。
一方、今回の走行の収穫も一応はあった。今迄は、300Rの1個目の縁石付近で、どうしてもスロットルを一瞬戻さずには走れなかった(そうしないと、2個目の縁石辺りでコースの外側縁に孕み過ぎてしまって怖かった)のだが、先週の雨天走行の際に100Rの出口→ヘアピン侵入→そしてヘアピンの出口に至るライン取りについて、食堂(ORIZURU)の窓からコースを眺めつつ井尻さんにアドバイスを戴けたお陰で開眼し(?)、今日はヘアピンの出口から300Rの侵入が楽に感じられるようになって、300Rをflat out (スロットル全開)で抜けられるようになったのだ。しかし、今迄はダンロップ・コーナー直前の車速は210km/h程度だったのが、ガス・ペダルを床迄ベタ踏みで抜けられるようになると車速が220km/hに達するようになり、結果的にはダンロップへの侵入に備えるブレーキング・ポイントが変化してしまった。即ち、今迄通りの地点でブレーキを掛け始めていたのでは間に合わず、実際にはもっと手前からブレーキングを開始する必要が出て来たのである。畢竟、ダンロップ・コーナーには突っ込み過ぎで、ブレーキ・ペダルを無茶踏みすることになってしまい(データ・ロガーに記録されるブレーキ液圧が高いのなんのって!)、ステアリングは切り遅れ、タイムを失う結果となっているのである。
ブレーキングといえば、序でに最終セクションの各コーナーのブレーキングもまだまだだし、最終コーナーのライン取り(ステアリング・ワーク)も立ち上がりも、相変わらず進歩がない(泣)。
データを見てくださった井尻さんの寸評:「各周回毎に、巧く行っているところも(バラバラに)あるので、色んな周回の良い所取りをすれば、ベスト・ラップ更新は簡単ですね。」…仰る通り、なのだが、言うは易し行うは難し、だ。いつかは出してみたい1分55秒台、である(嘆息)。
ところで、懸案のリア・ブレーキ・システムの温度だが、40分間を走り終えてピットに戻った直後に測定したところ、右リアのロータ/キャリパの温度は其々145℃/156℃で問題なかったものの、左リアはロータこそ170℃だったものの、キャリパ温度は220℃に達しており、所謂「ヤパイ」領域に達してしまっていた。やはり、フロント・ブレーキ・システム同様に、(エンドレス特注の)大容量タイプに交換が必要だと結論付けざるを得ない。うぅ…、また諭吉がぁー! 因みに、フロント・ブレーキ・システムは、左右のロータ、キャリパとも全て、150℃前後で全く問題無かった。 また、タイヤの空気圧は、4輪とも冷間215kPaでスタートしたのだが、走行直後にはフロント270kPa、リア280kPa (共に左右差無し) になっていた。途中で、もう少し内圧を下げて走行するべきだったかもしれない。そして、恐れていた通り、タイヤ(YOKOHAMA ADVAN Neova AD08)がそろそろ寿命を迎えつつある。前輪(235/35 R19)はまだしも、
後輪(295/30 R19)は、スリップ・サインがほぼ出掛かっているもの。うぅ…、更に諭吉がぁー!! 😥
しかし、近いうちにまた、リベンジ走行に是非とも出掛けたいナ。
FISCOスポーツ走行: 雨! (Gallardo LP560-4)
本日は、エビス仲間のU氏と師匠(プロフェッショナル・レーシングドライバ)の井尻 薫 選手、そしてセミプロ・カメラマンのY氏と共に、富士スピードウェイ(FSW/FISCO)のスポーツ走行に出掛けた。オヤヂはLamborghini Gallardo LP560-4、U氏はBMW E60 M5(スーパーチャージャ仕様: 660馬力!!)とE36 325i(トミーカイラ仕様)を持ち込んだ。(※走行写真はY氏撮影・提供)
前日の天気予報では晴だった筈なのに、中央自動車道→東富士五湖道路経由のルートでFSWに向う途中、相模湖付近で雲行きが怪しくなり、山梨県/静岡県に入る頃にはすっかり雨に。畢竟サーキットに着いてからも、午前中一杯はずっと雨は本降り状態が続いた。今日の走行枠は、午前中に30分走行枠が2つあるだけだったので、要するに今日のコース・コンディションは、ずっとフル・ウェットであった。
本来なら、ドライ・コンディションで全開走行をして、先日装着したリア・ブレーキ冷却用の導風ダクトの効果を検証したいところだったが、折角わざわざFSW迄出掛けたのだから、雨だからといって走らないのも勿体無さ過ぎるということで、オヤヂは渋々且つ恐々、走り始めた。
オヤヂは以前、Mazda NCEC Roadsterで雨天のFSWを走行中に100Rでスピンを喫し、イン側のタイヤバリアに激突した苦い経験がトラウマとなっており、ウェット・コンディションのFSWには殊更苦手意識を感じてしまう。しかし、本日はリア・ブレーキ冷却用の新規装着導風ダクトの効果を検証しなければならないのだから、ということで、コーナー手前ではシッカリ減速して丁寧に旋回し、コーナー出口に向かっては立ち上がり加速を重視して可能な限り速度を上げる、という運転を心掛けた積りだ。その結果、ブレーキを比較的酷使する形になったせいか、約10周の走行終了直後の左側リアのキャリパ温度は、200℃超まで上がっていた(先日購入した非接触型赤外線放射温度計が大活躍!)。只、対側リアのキャリパ温度は160℃程度であったし、ロータ温度は左右とも140-150℃だったので、導風ダクトによるロータ冷却効果はそれなりに発揮されている可能性が覗えたし、左右差があるのは、右コーナーと左コーナーの数やキツさの違いでESP(electronic stability program)の介入度合い(≒前後左右のブレーキの効かせ具合)が異なる可能性と、単純に導風ダクトによる空気の当たり具合に左右差がある可能性とが、考えられた。因みに、フロント・ブレーキには左右で温度差は無く、ロータもキャリパも140℃前後であった。
ところで、走行後に井尻さんとディスカッションをしていて、オヤヂがとんでもなく驚いたことが1つある。タイヤの摩擦円(friction circle)に関する「誤解」がオヤヂにあることが解ったからだ。以下にその誤解を説明するが、多少専門的な基礎知識が必要となるので、まずは”背景解説”を少々…。
タイヤの路面に対するグリップを、縦(前後の直進)方向の摩擦力と、横(前後軸と直行する左右に”曲がる”)方向の摩擦力との、合力としてのベクトルで表記した図が、摩擦円である(図の左パネル参照)。乾いた舗装路面では摩擦力が大きくなるので円も大きくなり、水に濡れた路面では摩擦力が小さくなるので円も小振りになり、凍結路面では更に小さな円になる(図の右パネル)、というのは直感的に理解し易いので、クルマの挙動を説明する際に、オヤヂはこの摩擦円の手助けを借りるのが好きだ。ところで、この図では縦と横の摩擦力が同等で、共に1.0G(Gは標準重力加速度単位. 重力を意味する英単語”gravity”の頭文字を取ってgと表記され, 万有引力定数のGと区別するため, 小文字で書かれるのが常だが, 標準重力加速度の単位として用いられる場合は大文字でG [“ジー”と発音] と表記される[trivia!].)と記されているが、タイヤの縦方向と横方向のグリップは同等である必要は無いので、縦と横の其々の最大摩擦力に対する割合(言うまでもなく、最小が0で最大が1)で考える方が、より現実的であろう。即ち、摩擦力の「割合」で図示する限りは、摩擦円は概念上の「正円」となるが、例えば縦グリップが横グリップよりも極端に強いタイヤの場合、実際の摩擦力でプロットすると、摩擦円は縦長の楕円になる筈だ。
さて、ここからが漸く本題。オヤヂとしては、ウェット路面でコーナリング中に、意図せずにタイヤが滑ってしまう(特に横方向に)と、腕が無いのでコントロール不能になるし、そこでESPが介入すると無駄に失速することにもなる為、なるべくタイヤを滑らせないように走る、ということを心掛けていた。その結果、基本的にはタイヤの縦グリップを使って充分に減速した後、タイヤの横グリップが破綻しないように(というのか横グリップを使うことなど殆ど考慮せずに)「安全に」向きを変えて、再び縦グリップを使って加速する、というスタイルの走りをしていた積りだ。脳裏に描いていた摩擦円としては、ドライ路面よりもずっと小さいけれども殆ど紐状に極端に縦長の楕円である。
けれども、井尻さんのイメージは、ドライこそ縦長楕円の摩擦円になるが、ウェットの場合は正円か、寧ろ横長の楕円なんだそうだ。雨の日には晴れの日よりも、タイヤの横方向を使うように意識なさっていて、コーナーの進入からクリップまでは前輪の横グリップのギリギリを使うイメージなんだそうな。「ウエットはタイヤを発熱させた者勝ち」で、「発熱する→グリップする→もっと発熱する→もっとグリップする…」という循環関係なんだと。
その辺りは、ロガーで記録したデータを検討すると、良く判る。特にAコーナーから100Rに掛けてのステアリング操作を見ると、舵角としては、オヤヂも井尻さんも共に左右に90度ずつ程度なのに、井尻さんの転舵速度(ステアリングの角速度)は一瞬300度/秒の時もあり、150度/秒なんてザラなのだ。しかも、実際の舵角には殆ど現れない、ホンの僅かで一瞬の動きである。即ち、井尻さんの場合は、非常に微妙に「ピクピク」と瞬間的にステアリングを微調整しながら、(フロント)タイヤのグリップレベルを探りながら走っていることになる。一方でオヤヂは、ステアリングを動かしちゃ駄目だ、くらいの雰囲気で必至になって”ホールド”してしまっているので、転舵速度のグラフは山が低(棘が短)くて”滑らか”ではあるが、実際には肩や腕に力が入ってしまっているだけで、クルマの突然の挙動変化(タイヤグリップの破綻)に対応できない可能性が高い分、却って危険だと言えよう。また、オヤヂはタイヤの横方向グリップの限界を探りもせずに、只闇雲に恐る恐るコーナーを旋回しているだけなので、オヤヂが旋回中のタイヤのグリップ力としては摩擦円の円周上(=タイヤのグリップ力の限界点)から遥か内側に入った、「安全」だけれども「タイヤの能力を使い切れずに勿体無い」状態だとも言えよう。
公道での安全運転の心得ならばともかくも、サーキットで少しでも速く走る為には、滑るのは当たり前で、寧ろタイヤを微妙に滑らせながら、如何に自分の運転操作の制御下に置くか、を考えながら走らないと駄目だ;グリップの限界を大きく超えて(タイヤ摩擦円の外側にはみ出して)しまっては話にならないが、横グリップの限界付近を使いながら概念上の摩擦円を横に広げる努力を常に怠らないのが大切だ、ということを、井尻さんと話していて改めて気付かせて戴けた次第である。畢竟、雨天のオヤヂの運転スタイルを、抜本的に構築し直さないと駄目だ、というお話しである。
しかし、そうなるとステアリング操作とブレーキ操作(ブレーキの”抜き”)を連動させるのが、ドライの時よりも更にシビアになるので、いっそうの修練が必要になることは言うまでも無い。ん~、オヤヂにとっては益々課題が増えるばかりで、先が見えて来ないなぁ(嘆息)…。
結果的に、オヤヂが”安全に”周回できるのは2’17”-20″のタイムの時だけで、途中で一度は抜いたFerrari F430 Coupeに後ろから攻め立てられた時には、スピンしそうになりながら2’13″台で走ってはみたものの、 腕の差が歴然と現れる100R出口(ヘアピン侵入)であっさりと抜き去られる等、散々だった。傍で見ていた人々にとっては、黄色のLamborghiniと赤色のFerrariのバトルは、結構見応えがあって楽しかったらしいけれど(汁)。因みに、井尻さんの本日の参考タイムは2’07″台なのだから、ドライの時のタイム差(2-3秒程度)に比べて余りにも開きが大きく、オヤヂとしては情けない限りである。
蛇足だが、U氏のスーチャー仕様M5の化け物振りにも恐れ入ってしまった。フル・ウェットの悪条件の中、ホームストレートエンドで車速が280km/hに達したというのだ! 最終コーナーの立ち上がり(2速、或いは3速ギア)から4速ギアまでは、ずっと横滑り防止装置(DSC: dynamic slip control)が作動しっ放しだった(=加速抑制が掛かっていた)という。ドライ・コンディションなら、FSWのホームストレートで300km/hを出すのも夢ではなかろう。ロガー・データで見る限り、オヤヂのLP560-4では本日の最高速度は260km/h、ドライの時でも安全に1コーナーを曲がる為には270+αkm/hが精一杯なので、勝負にならんな。
ダイハツのCMが凄いナウ!
ダイハツ ミラ・イース (DAIHATSU mira e:S) のCMが凄い! 本日偶然このCMに気付き、オヤヂは失禁しかけたヨ…。
リア・ブレーキ導風ダクト装着(Gallardo LP560-4)
7月に行った富士スピードウェイ(FSW/FISCO)のスポーツ走行で、オヤヂのLamborghini Gallardo LP560-4は、意外にリア・ブレーキの負担が大きく、ロータ&キャリパの温度が限界近くまで上昇してしまうことが判ったので、以前フロント・ブレーキの冷却用に導風ダクトを製作・取付して貰った際と同様に、
序でに、自動昇降式リア・ウイングの、随意昇降スイッチの製作・取付も依頼してみた。こちらは、T氏1人の手に負えないことが既に判明していた為、さいたま市内の某B社に製作を依頼するという、少々面倒な形になった。LP560-4のリア・ウイングは、時速120kmを超えると自動的に上昇し、その後に時速80kmを下回ると自動的に下降する(“格納”される)。この手の自動昇降式リア・ウイングは決して珍しいものではなく、同じAudi/Volkswagenグループの車たち(Audi R8系, Audi TT系, Porsche 911系, Porsche Boxster/Cayman系, etc.)にも備わっている。そして、Audi/VWグループの車には通常、任意でリア・ウイングを昇降させる為のスイッチが備わっており、走行速度に無関係に、羽を上げっ放しに(そして下げっ放しにも)することが可能である。ところが、Lamborghini Gallardo LP560-4には何故か、その手のスイッチが備わっていないのである。そして、あとから(Lamborghini社には内緒で)リア・ウイングの随意昇降スイッチを取り付けようとすると、車速信号を誤魔化したりカットしたりする必要があり、そういう電子回路を製作したりプログラムを組んだり(?)するのが、結構面倒臭いらしいのだ。
で、先月下旬にLP560-4を預けて半月余りが経ち、本日漸く車両を受け取ることができた。流石はT氏だけあって、アルミニウム製のリア・ブレーキ冷却用導風ダクトの出来栄えは、フロント用に勝るとも劣らぬ見事なもので、フロント同様にやはりサスペンションアームに取り付けられていた。また、リア・ウイングの随意昇降スイッチもきちんと機能することが確認でき、オヤヂは停車中のLP560-4の羽が出ているのを、生まれて初めて見ることができた(※注:Gallardo LP570-4 Superleggeraや、LP570-4 Super Trofeo Stradaleの場合は、リア・ウイングは固定式[上がりっ放し]で、より大型のものが装着されている)。オヤヂは近日中にFSWに出掛けて、新規に装着したリア・ブレーキ用導風ダクトの冷却効果が出るかどうかを検証すると共に、リア・ウイングも上げっ放しにして、中・低速コーナーでダウンフォースが上がるか否かを確認(羽が小さいので、体感は困難かもしれないけれど)してみる積りだ。
ところで、今回江戸川の某店に車両を預けた結果として、驚かされたことがある:サイドブレーキのパッドが一枚だけ、無くなっていたのだ 😯 ! 正確には、左右後輪に備わるサイドブレーキの、2対(計4枚)あるパッドのうち、右外側の1枚のみ、摩材が”消えていた”のである。写真を撮り忘れてしまったが、残された基盤を見ると、摩材が摩滅して無くなったのではなく、基盤から剥がれて消失した、という感じに見えた。T氏の推測では、サーキット(言う迄も無くFSW)走行直後に、ピットで駐停車中にサイドブレーキを使った際、高温(摂氏400度超)のブレーキ・ロータにパッドが触れ続けた為、基盤に摩材を貼り合わせてある接着剤が融解/変質してしまい、摩材が基盤から剥げ落ちたのだろう、ということだった。確かに、減速用の所謂(普通の)ブレーキ・パッドと違い、サイドブレーキ用のパッドは、ジムカーナ競技用のサイドブレーキ・パッドでもない限りは、例えば摩擦熱で高温になるなどということは想定していないであろうから、接着剤も非耐熱性のものが使われていてもおかしくない訳で、T氏の仮説もまんざら在り得ない話ではないな、とオヤヂも思う。
しかしとにかく、サイドブレーキ・パッドが1枚「無い」侭の状態では、安全上の理由でお車をお返しする訳には参りません、とT氏。しかも、困ったことに、Lamborghiniの正規販売代理店系列には生憎サイドブレーキ・パッドの在庫は無く、イタリア本社からの取り寄せとなるので、更に1、2週間は車両を預けておかねばならない見込みだという。そ、そんなぁ、既に半月も手元を離れていたLP560-4が、更に半月も戻って来ないなんて、寂し過ぎてオヤヂには耐えられまへんデェ! 早くサーキットに行って、ダクトと羽の効果を試したいのだし、何とか代替案を考えないと…。
そこですぐにオヤヂが思い付いたのは、Audi R8用のサイドブレーキ・パッドを流用するということ。流用、といっても、LP560-4用の部品の殆ど全てにアウディのエンブレム(Four-Rings)が刻印されているし、元来LP560-4用もR8用も共にBrembo社製OEMなのだから、その儘「同じ物」な筈である。実際、先日のリア・ブレーキ・キャリパのオーバーホールの際にも、Lamborghini Gallardo用ではなく、Audi R8用のoverhaul kitを用いた実績もある。ということで、オヤヂが以前RS4 (B7)や妻のTT (8J)の購入でお世話になった、最寄のAudi正規ディーラのM氏に早速電話してみた。すると、M氏はAudi正規ディーラ系の日本国内在庫を調べてくださり、結果として豊橋にあることが判ったので、それをすぐに江戸川の某店に送付するよう、迅速に手配してくださった。畢竟、Audi R8用サイドブレーキ・パッドは、オヤヂがM氏に電話で問い合わせた2日後にはT氏の手元に届き、本日迄に無事に交換作業が完了した次第である。Mさん、ありがとうございました!
今回掛かった諸費用を合計すると、少し前の大卒者初任給程度(現在の大卒者初任給は約21万円だそうなので、オヤヂの知っている初任給よりも随分と上がっているが…)になった。想定内の金額ではあるが、益々貧乏に拍車が掛かってしまったのが悲しい 😥 。
2011年9月の「のんびり走行会」@エビス西サーキット
本日は、福島県二本松市のエビスサーキット西コースで開催された、のんびり走行会に参加した。今年は4月から11月迄ほぼ毎月開催予定だが、8月は夏休みだったので”久し振り”な感じで、オヤヂはとても楽しみにしていた。そして


インストラクタは、例によってプロフェッショナル・レーシング・ドライバの井尻 薫 選手と、モータージャーナリストの斎藤 聡 氏にお願いした。
オヤヂの、今回の最初の目的は、新調したタイヤ(ADVAN Neova AD08)の感触の確認。昨年末から今年の前半(8月)迄、オヤヂの911 GT3 RSに装着してあったのは、19インチのOZ Racing Ultraleggera-HLTとTOYO Proxes 1との組み合わせだったが、今回は同サイズのYOKOHAMA ADVAN Racing RZ-DF + ADVAN Neova AD08の組み合わせだ。これまで、ADVAN Neovaには911 GT3 RSの後輪サイズ(305/30 R19)がなかったのだが、先頃新規に追加されたのだ。TOYO Proxes 1と同様、Porscheの純正指定承認は取れていないものの、オヤヂとしては漸く汎用ラジアルタイヤの真打登場、といった気持ちで歓迎し、大いに期待して本日の走行会に臨んだ。
タイヤ交換した際、特に重量を測った訳ではないが、OZ Ultraleggera-HLT + TOYO Proxes 1と、YOKOHAMA ADVAN RZ-DF + Neova AD08とには、オヤヂが手で持った限りでは大きな重量差は感じられなかった。例えば、Pirelli P-Zero Trofeoなら、”オオーッ!?”と驚く程軽いのだけれど…。※どうでもいい事なのだが、以前、タイヤ交換を頻繁に行っていた時期には、例えば出勤前、朝のちょっとした時間にタイヤ交換をするなんてことは、オヤヂにとって文字通り”朝飯前”の簡単なことだったが、今回久し振りにやってみると、疲れたぁ…。
さて、走りである。冷間でのPorsche規定空気圧である前 230 kPa、後 270 kPaで取り敢えず走行開始。走り始めてすぐに感じたのは、「タイヤが柔らかい」ということだった。同サイズのTOYO Proxes 1に比べて、明らかに乗り味がソフトになっていたのだ。恐らく、一般によく言われているように、ADVAN Neova AD08はサイドウォールが柔らかいことに起因しているのだろう。しかし、前輪は全く同サイズ、後輪もほぼ同サイズ(1cm幅が狭いだけ)のNeova AD08を装着しているLamborghini Gallardo LP560-4では、Neovaはもっとカッチリとしている印象なのだが…。
何はともあれ、その儘走り続けてみると、タイヤの縦方向(車の前後軸方向)のグリップの高さに、オヤヂは暫く驚いていた。ブレーキ効くじゃん!?、コーナーの立ち上がりで無茶苦茶トラクション掛かるじゃん!?、etc.…という具合に。そして、春(初夏)にProxes 1で出したオヤヂのベストラップは辛うじて6秒台の実質7秒フラットだったが、それに近い7秒台半ばのタイムは比較的すぐに出た。しかし、その後はタイムは伸び悩み(というのか寧ろ下降気味で)、8秒台で周回するのは難無くできても、7秒台に入れるのは困難、という状態が続いた。途中でピットに入ってタイヤ内圧を見ると、前 300+kPa、後 330+kPa迄上がっていたので、その後は小マメに前 260-70 kPa、後 270-280 kPaに調節しながら走ったが、晴天で気温も路面温度も凄く上がった為か、畢竟タイムは伸びず仕舞いで終わった。
タイヤには、時々噴霧器で水を掛けて冷やそうと試みたりもしたのだが、まさしく焼け石に水で、何処まで効果があったのかは疑問だし、実際殆ど一日中、タイヤは熱くて触れない程に発熱していた。単純に環境(気温/路面温度)のせいなのか、それともNEOVA AD08が発熱し易いタイヤなのかは、同じ条件下で他のタイヤを装着して走行していないので、オヤヂには知りようが無いが、Proxes 1がこれほど熱くなっていたことはなかったような気がする。NEOVA AD08は、熱くなってしまうと、オヤヂが当初感じた”縦グリップ”は当然落ちてしまったし、横グリップも落ちたのか、後輪が屡々流れるようになった。前輪のグリップが落ちてアンダーステア傾向が出てくる、という程ではなかったし、後輪の滑り出しも唐突ではなく、充分に予兆があってからなので、「想定内」の挙動変化ということで対処も容易だし、滑り出した後の挙動も安定していて、怖くは無かった。但し、言う迄もなく、オヤヂの場合traction controlは常に「オン」の侭である。
午前中に、井尻さんと斎藤さんに、オヤヂの走りをチェックして戴いたのだが、井尻さんからは、ステアリングの切り始めは悪くないけれど、最後の瞬間に転舵速度が速くなってしまっていて、結果として舵角も大きくなってしまっている(ステアリングの円周上で拳一握り分くらい)為、アンダーステア傾向になり、車の挙動も不安定になっている(アンダー→オーバーステア)、という指摘を受けた。もっと舵角を小さ目にして、車が素直に向きを変えるのを待つくらいの気持ちでクリッピングポイントを目指せ、ということだろうか?また、ブレーキ操作とステアリング操作が巧く連携しておらず、本来ならばブレーキペダルの踏力とステアリングの舵角は反比例していなければならないのに、ブレーキペダルを未だ強く踏んでいて”抜いて来ていない”うちに、ステアリングを大きく切ってしまっている、とも注意された。う~ん、要するに、高性能タイヤのグリップに依存した、下手糞な運転だということだナ。
斎藤さんには、井尻さんから注意されたポイントに気をつけながら暫く走り込んだ後にチェックをして戴いたところ、細かい点で気になるところはまだまだ沢山あるものの、そろそろtraction controlを切って走っても良いんじゃないですか?と言って戴けた。その方が、車の挙動変化がより大きくなるので、それを予測し、且つ大きな挙動変化に対応した運転操作が確実にできるようにすることで、運転の幅がもっと広がるから、と。要するに、そろそろもう一段階上を目指して精進しなさい、と言って戴けた訳で、オヤヂは感激して思わず眼が潤々したゼ。
それにしても、ご両人のデモ走行は、相変わらず凄かった! 井尻さんは、オヤヂの渾身のアタック結果(1’07″427)よりも1秒以上も速い1’06″369をあっさりマークしてしまうし、斎藤さんはタイヤの横方向(車の前後軸と直行する方向)のグリップの使い方が絶妙で、タイヤが滑る直前から滑り出した直後の間の”限界付近”を巧みに使って、車の挙動を自在にコントロールしていらっしゃるのが、助手席に乗っていてもハッキリと感じ取れる走りだった。ロガーで記録したデータを見ると、ご両人とも、とにかく高速区間の”無駄”が無いので、オヤヂとの速度差が歴然としていることが判る。また、オヤヂは相変わらず、ブレーキの踏力が強過ぎるコーナーが幾つかあり、無駄に減速し過ぎてタイムを失っているのも見て取れる。高速コーナーの場合、ブレーキを踏み過ぎてタイムを失うということは、滑らかな運転ができていないということと同義に近いので、大いに反省しなければならない。…オヤヂもいつかは、井尻さんや斎藤さんのせめて半分(無理だろうなぁ)くらいの運転技術を身に付けたいものである(嘆息)。
タイヤ交換 (Porsche 911 GT3 RS)
うっかりしてblogに書き忘れていたが、今月半ばに、Porsche 911 (997前期型) GT3 RSのタイヤ交換をした。先月のスポーツ走行@富士スピードウェイで、装着中のTOYO Proxes 1が坊主になった(後輪は殆どスリックタイヤ状態)ので、必要に迫られての交換である。
O.Z. Racing Ultraleggera-HLT + TOYO Proxes 1の組み合わせは、昨年11月14日に換装しており、以来エビスサーキットを4回、そして富士スピードウェイを1回(&勿論サーキットと自宅との間の公道もだが)走行したのみなので、結構短命だったナ(走行距離にすると凡そ3,000 km程度か?)。YOKOHAMA ADVAN Racing RZ-DF + Neova AD08の組み合わせは、来月のエビスサーキット走行会でその感触を確かめる予定だ。